2025年9月 9日 (火)

意表の角

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昼食休憩明け、藤井王位に意表の一手が出ました。持ち角を狭いところに打つ▲2五角(67手目)はなかなか思いつかない手です。次は▲3四角~▲2三角成がシンプルな狙い筋。しかし単純な狙いは失敗すると立て直しが難しいため、プロの将棋では敬遠される傾向にあります。

控室には日本将棋連盟の常務理事を務める糸谷哲郎八段と瀬川晶司六段が訪れていましたが、糸谷八段は「えっ、そんな手があるの」と驚愕。師弟で本局の立会人を務める青野九段と八代八段が、継ぎ盤で検討しています。

2筋突破を受けるなら△2二玉が目につきますが、これは▲3四角と出られ、次に▲1五歩△同歩▲2三角成△同金▲2四歩△1三金▲1五香△1四歩▲同香△同金▲2三歩成と攻め込まれるため危険を伴います。安全に受けるなら△2二金~△3二玉が好手順。これなら▲2三角成△同金▲2四歩の筋は△2二金と引けるため問題ありません。先手は打った角をどう活用するかが課題です。八代八段は▲2五角について「深く読まないと成算が持てない手」と話しています。

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