2025年5月
2025年5月 7日 (水)
【紅組】▲佐々木大-△丸山 決断の突き捨て
▲佐々木大-△丸山戦は中盤戦が続いています。図の▲7四角は後手の飛車の横利きを止めつつ、5二の金取りをかけています。東京の対局立会人を務める川上猛七段は、△6二金や△4二金右を候補手に挙げていました。しかし、丸山九段は金取りを受けず端歩を突き捨てました。▲5二角成には△5四飛▲6三馬△8四飛と進めて、先手に馬を作られても攻め合いに持ち込む狙いです。自玉周りの金を取られるだけに、△9五歩は決断の一手とみてよいでしょう。佐々木七段は長考に沈みました。
(丸山九段は端歩を突き捨てて攻め合いを目指す)
【白組】▲都成-△永瀬 中住まいを目標に
【白組】▲羽生-△杉本和 中央の攻防
白組の▲羽生-△杉本和戦は中央で小競り合いが起きています。羽生九段の指した▲6四歩(51手目)は「歩のない筋の歩を伸ばせ」の格言に沿った一着。あらかじめ▲2四歩の突き捨てを入れることで、△6四同角には▲2四飛と走って先手成功になります。気になる手は△4五歩で、▲2四角は△2二飛▲2五歩△6四角のときに▲5一角成とできず、後手陣の手が進んでいないことが生きてしまいます。よって△4五歩にはじっと▲3七角と引いておき、以下△2二飛なら▲5五歩と手を戻しておいてどうか。東京・将棋会館の対局立会人を務める川上猛七段は「それなら全然腹は立たないです」と話します。本格的な戦いが始まる前で形勢に差がつく段階とはいえませんが、杉本六段にとって苦労の多い中盤戦になりそうです。