2024年7月31日 (水)

終局直後インタビュー

Img_1183(2勝目を挙げた藤井聡太王位)
□藤井王位のインタビュー

――渡辺挑戦者の△7五歩(30手目)に対する▲同歩は、3時間超えの長考でした。
 直前の手が△7三桂だったので、仕掛けてこられる順は有力なのかなと。実際に仕掛けられて、思った以上にどうすればいいか分からず、難しい局面になってしまったかなという気がしていました。本譜のように進むと、9筋の突き合いが入っていないのが、こちらにとって損になってしまっているので、封じ手の辺りは自信がない展開でした。

――△2四同飛(58手目)で、局面が険しくなりました。 
 △9四角(56手目)が厳しい一手で、▲3四歩に代えて▲4四角から▲5六銀で受けに回って頑張るほうがいいかなとも思ったんですけども、それもちょっと自信がない気がしました。本譜はやはり苦しい形になってしまいました。

――▲2一飛(63手目)と打って攻めに転じました。
 駒効率がよくならず、こちらの玉も手を入れても安定しない形ですし、ちょっともつれそうな印象を受けていました。

――挑戦者の△6九飛から△6七角成(68手目から70手目)をきっかけに、激戦の終盤が始まりました。
 持ち歩が1歩しかなく、攻めも細くて苦しいのかなと思って指していました。

――一局を振り返って。
 仕掛けられたところで、いい対応が分からず、少し自信のない局面になってしまいました。最後はどうなっているか、ずっと分からなかったんですが、進んでみるとこちらの玉を手順に安全にする手が生じて、そのあたりで勝ちになったのではないかと思いました。

――次局に向けて。
 第4局まで少し間が空くことになるので、しっかりといい状態で臨みたいと思います。

Img_1186(渡辺明九段は悔しそうな様子をにじませた)
■敗れた渡辺九段のインタビュー
――序盤の仕掛けのあたりは、どのように見ていましたか。
 どんな形でも仕掛けようかなと思っていました。先手の対応する形はいっぱいあるので、それを見てから進めようかなと思っていました。

――△2四同飛から局面が険しくなりました。
 △同飛も△同歩もあるかなと思ったんですけど、指せていると思っていたので、△同飛でいった方がいいかなと思いました。しかし、▲2一飛(63手目)で長考したので、どうだったのかなと。昼休み段階では考えていない手順になりました。

――中盤戦を振り返って。
 最初は△6九飛(68手目)に代えて△7六桂の予定だったんですけど、成算が持てないので、△6九飛といくしかないのかなと。かなり怖い変化になるのは、仕方ないのかなと思っていました。

――一局を振り返って。
 終盤で何かあったかどうか。いろんな手段があるとは思うのですが、わかりませんでした。

――次局に向けて。
 間にほかの棋戦もあるので、日程が近くなったら、作戦を練って臨みたいと思います。

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