詩人の石川啄木は函館の自然を短歌に残しました。大森浜にある啄木小公園の看板によれば、函館に滞在した約4ヵ月間は、啄木の短い生涯の中でも楽しい期間だったとあります。
頬につたふ
なみだのごはず
一握の砂を示しし人を忘れず
歌集『一握の砂』の名が取られたこの一首をはじめ、「砂」は啄木が好んで散歩した大森浜がモチーフになっているといわれます。函館山を望む大森浜には、啄木像が建てられています。今回、啄木亭で対局に使われている部屋にある書も、啄木が詠んだ短歌です。
たはむれに母を背負ひて
そのあまり軽きに泣きて
三歩あゆまず