2024年7月

2024年7月 5日 (金)

18時より、中日ビル6階「中日ホール」で前夜祭が開催されました。

Img_4035(大勢の将棋ファンが駆けつけた)

【主催者あいさつ】

Img_4046 (大島宇一郎・中日新聞社代表取締役社長)

「今回は名古屋商工会議所さんの呼びかけで「勝負おやつコンテスト」を開催させていただきました。名古屋市内の企業、店舗に呼びかけたところ、105品もの応募をいただきました。一次審査で20品に絞り込み、二次審査で選定されたおやつ8品目をメニューに載せています。おふたりにはぜひ、対局中のエネルギーにしていただきたいと思っております」

Img_4060 (羽生善治九段・日本将棋連盟会長)

「今回、第1局の対局場に徳川園さんをご提供いただきました。将棋の歴史は日本に入ってきたのが約1000年ぐらい前といわれていますが、現在のルールが確立されたのが約400年前、ちょうど江戸時代が始まった頃ですね。茶道、華道と同様に家元制度として、歴史を育んできた背景があります。そういった将棋界の原点という、ゆかりのある場所で王位戦の開幕局を迎えられたのは、今年100周年を迎える日本将棋連盟にとって大変喜ばしいことだと考えています。藤井さんと渡辺さんが、その舞台にふさわしい将棋を指してくれると期待しています」

Img_4083 (河村たかし・名古屋市長)

「徳川家康の時代から約400年、おびただしい数の対局が行われてきて、明日も最善手を目指して必死の戦いが繰り広げられる。えらいことですね」

(書き起こし=玉響、撮影=虹)

検分後、対局室で記者会見が行われました。

Img_3783(まずは藤井聡王位から)

――今回の名古屋対局場にお越しになられてのご感想は。
藤井 徳川園は自宅から比較的近くにあるのですが、今回初めてきました。庭園や建物にすごく趣があり、また徳川美術館も見学させていただきましたが、収蔵品の将棋盤や駒をはじめとして興味深いものが多く、こんなに素晴らしいところがあったんだなというのを改めて感じた次第です。

――尾張徳川家の将棋盤を間近で見られて。
藤井 状態がよくてきれいなことにまず驚きましたし、盤の装飾も現代のものとは違ったところもあって、そのあたりも非常に興味深かったです。

――永世王位が懸かったシリーズについて。
藤井 これまでの4年間の経験を生かしながら、全力を尽くして戦いたいと思います。

――渡辺九段は何度かタイトル戦でも戦ってきた相手。どのような将棋を繰り広げたいか。
藤井 渡辺九段は作戦巧者で、先後どちらでもいろいろな作戦を指されている印象があります。それに明日は振り駒ですし、始まってみないと分かりません。王位戦は2日制の長い対局になるので、それを生かしてどの局面でも読みを深めたいと思っています。

――渡辺九段はおやつを対局室で食べると話されている。藤井王位の予定は。
藤井 私は控室でいただく予定です。私自身がタイトル戦に出始めた頃からそのような形でしたので。逆に渡辺九段のほうは、それ以前が対局室でいただくことも多かったので、そのスタイルを選ばれたということかなと思います。席を外すことで持ち時間を使うことにはなりますが、確実に気分転換できますのでよい面もあると考えています。

――名古屋市でおやつを募集したところ、105店もの応募があった。
藤井 すごい規模ですし、それだけこの第1局を歓迎してくださっていることをうれしく思います。対局をいろいろな形で盛り上げていただいて、ありがたいことだなと感じています。

――ファンに向けて。
藤井 明日から七番勝負が開幕します。今期は渡辺九段とのシリーズになって、どういった展開になるかは始まってみないと分かりませんが、全力を尽くして、見ていただいている方に楽しんでいただける将棋を指したいと思っています。

Img_3836b(続いて渡辺明九段)

――今回の名古屋対局場にお越しになられてのご感想は。
渡辺 挑戦者決定戦から1ヵ月ちょっとが経過しました。今回いろいろなところを寄らせてもらって、いよいよ明日から始まるんだな、という感じになってきたところです。

――尾張徳川家の将棋盤を間近で見られて。
渡辺 こういったものを見学するのは初めてのことでした。十九世紀の品と聞きましたが、すごくよい状態で残っているというのが驚きだったのと、数百年前からある将棋が現代もプロ競技として成立していることに将棋の奥深さを感じました。タイトル戦の前にそういったものを感じられたのはよい機会だったなと思います。

――開幕前のインタビューでは、「対藤井戦の作戦は白紙。これから考えたい」ということだった。1ヵ月の準備の中で万全になったか。
渡辺 なかなか万全ということはないですけど、限られた時間の中での準備はしてきました。あとはいまの状態でどれぐらいやれるのか、というところになってくると思います。

――名古屋市の将棋ファンに向けて。
渡辺 王位戦の注目度の高さに、いまこうして会見をしていても感じているので、期待に応えられる将棋を明日から指さないといけないと思ってます。自分が1年ぶりのタイトル戦ということで、ずっと出場していた頃とは違う思いもありますし、頑張っていければと思います。

――渡辺九段はおやつを対局室で食べると仰っていた。その思いは。
渡辺 コロナ禍になる前は対局室で食べていて、別室で食べるというのはその対応だと思っていた。しかし不便な面もあり、その対応ができているのであればということで要望を出させていただきました。

――夏のタイトル戦の経験が少ない中、本日の名古屋は気温37度を超えていた。体調面など不安はあるか。
渡辺 王位戦七番勝負に初めて出場するので、真夏のタイトル戦というのは初めてです。2020年には名人戦七番勝負の時期がずれて夏に指したこともありましたが、それは将棋会館だったりしたので意味合いがちょっと違うかなと。これだけ暑い中で現地入りするなど、王位戦らしいなといま感じているところです。この1週間で急に暑くなったので、自分でコントロールできるところではありませんが、体調に変化が出なければよいなとは思っています。

――七夕付近での開幕。いま短冊に願いを書くとしたら。
渡辺 うーん……強いていえば、いま足を怪我しているのでそれを治すために休みが4週間ぐらいほしいな、ということぐらいですかね。

――挑戦権を獲得したときの率直な気持ちは。
渡辺 挑戦者決定戦では2度負けていて、その負けたのもだいぶ前のことなので、そういった意味では王位戦に縁がなかったのかなと思っていた部分もありました。なので今回初出場すると決まったときはうれしかったですね。

――タイトルを失ってからの今回のタイトル戦。何か期するところはあるか。
渡辺 当時はタイトル戦に出ることに慣れてしまっていたところがありましたが、実際にタイトルを失ってからは次にいつ出られるか分からない。この機会を大事にしたいという思いは、以前よりも強くなっています。

Img_3820_2(両者が入れ替わる前に、記者のリクエストに応えて撮影が行われた)

対局者、関係者一行は13時頃に現地入り。記念撮影や博物館見学を行い(後日掲載予定)、対局場となる愛知県名古屋市「徳川園」に向かいました。検分は予定されていた15時30分より15分ほど前倒して開始しています。

Img_3733(藤井聡太王位)

Img_3727(渡辺明九段)

Img_3737

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Img_3747(庭園がよく見える対局室だが、その太陽光の扱いについてしばらく話し合った。奥の長机には左から、立会人の藤井猛九段、記録係の上野裕寿四段、副立会の高見泰地七段)

対局2日目には、東京で大盤解説会が開催されます。詳細は以下のとおり。
(名古屋の現地大盤解説会は、受付締切済みです)

【駒テラス西参道大盤解説会】
日 時:7月7日(日) 開始15時

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解 説:広瀬章人九段
聞き手:伊藤明日香女流初段
定 員:先着40名(事前チケット販売)
https://www.shogi.or.jp/event/2024/06/_65_1.html

各メディアで生中継が行われます。中日新聞YouTubeでは対局室の様子と局面を配信。ABEMAは解説つきです。詳細は以下のとおりです。

【中日新聞 東京新聞 将棋|YouTube】

◆対局1日目
日 時:7月6日(土) 開始9時
https://www.youtube.com/watch?v=dAb2N7R4gCw

◆対局2日目
日 時:7月7日(日) 開始9時
https://www.youtube.com/watch?v=3fzOoXUblWQ

【ABEMA】

◆対局1日目
日 時:7月6日(土) 開始8時30分

Kishi_abema01
解 説:佐々木慎七段、井出隼平五段
聞き手:香川愛生女流四段、貞升南女流二段
https://abema.tv/channels/shogi-live/slots/Cta6U6b5u8wKcj

◆対局2日目
日 時:7月7日(日) 開始8時30分

Kishi_abema
解 説:鈴木大介九段、小山怜央四段
聞き手:加藤結李愛女流初段、内山あや女流初段
https://abema.tv/channels/shogi/slots/Cta6WpcE4j93Ys

藤井聡太王位に渡辺明九段が挑戦する伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦七番勝負(主催:新聞三社連合)は、7月6・7日(土・日)に愛知県名古屋市「徳川園」で開幕します。藤井聡王位は連続5期目の戴冠、そして永世王位の資格も懸かっています。渡辺明九段は初戴冠を目指す戦いです。
第1局は中日新聞社が主催。持ち時間は各8時間。番勝負開幕局のため、先後は振り駒で決定します。対局開始は9時。昼食休憩は12時30分から13時30分。対局1日目の封じ手時刻は18時。
立会人は藤井猛九段、副立会は高見泰地七段、記録係は上野裕寿四段、観戦記執筆は鈴木宏彦さん、中日新聞Web記事執筆は勝又清和七段がそれぞれ務めます。対局2日目の現地大盤解説会(受付締切済み)には、石田和雄九段、杉本昌隆八段、柵木幹太四段、室田伊緒女流二段、野原未蘭女流初段が出演します。

インターネット中継は棋譜・コメントを玉響、ブログを虹が担当致します。
どうぞよろしくお願い致します。

【主催:中日新聞社】
https://www.chunichi.co.jp/

【特別協賛:お~いお茶(伊藤園)】
https://www.itoen.jp/oiocha/

【協賛】
名古屋市 大同特殊鋼 リンナイ JR東海
東邦ガス トーエネック トヨタ自動車 日本特殊陶業
ブラザー工業 三菱UFJ銀行 ゼットン 瀬戸信用金庫

【第1局特設ページ|中日新聞】
https://static.chunichi.co.jp/chunichi/pages/event/ouisen1st/

【5連覇か、初の王位か 伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦七番勝負展望|日本将棋連盟】
https://www.shogi.or.jp/column/2024/07/565.html

【棋譜中継ページ】
http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/65/oui202407060101.html