2023年5月

2023年5月18日 (木)

230518_092先手は歩と桂だけで6筋から攻め込んでいけます。後手に渡す駒が安いので反動も抑えられます。残り時間の差(▲2分、△16分)もあり、先手勝勢になりました。佐々木七段の丁寧な指し回しが実を結びつつあります。

230518_0795四にいた飛車を△5五飛と逃げ、▲6四歩△5二銀▲4四歩で図の局面。後手は飛車が邪魔で△5五桂と逃げられません。ここ数手で先手が抜け出し、優位に立ったと見られています。残り時間は▲佐々木19分、△羽生5分。

Dsc_0087_2(昼食休憩が明ける直前の佐々木七段)

230518_0738八銀型で▲8七玉と逃げる展開もありそうでしたが、66手目△2八竜で側面からの攻めを見せられたこともあり、先手は▲7九銀と囲いの形を変えました。7七金型の囲いは実戦例がまだ少ないのですが、佐々木七段はうまく指しこなしている印象を受けます。とはいえ、駒の損得でいえば後手が駒得です。控室の評判は依然として「激戦」。

Dsc_0212(二人のねじり合いは続く)

230518_060図で▲7八玉が指されました。攻め急ぐことなく、△3七成銀や△1九飛成よりも価値の高い手と判断しています。実に落ち着いています。中村太八段は▲7八玉を「佐々木七段らしい手」と評しました。さらに▲5八金から▲6八金まで指せれば先手玉は極めて堅くなります。後手がせかされる展開かもしれません。

Dsc_9882(佐々木七段は、この大一番でも「自分の将棋」を指している)

230518_059指し手の速度が上がっています。40手目△6五歩から20分少々で図の局面になりました。あっという間に中盤を通りすぎて終盤に入ろうとしています。中村太八段の評価は「激戦」。

Dsc_0417(東京の対局立会人、金沢孝史六段も控室へ)

Dsc_0447(継ぎ盤では▲6三銀と打ち込む変化まで調べられている)

230518_051羽生九段は34分の考慮で40手目△6五歩を決断。以下は両者とも早指しで進めて図の局面に。角を取り合う、激しい変化になりました。後手から△2九角があり、もう収まりそうにありません。先手は玉を8七に逃げ込む算段でしょうか。4八の金は取られそうですが、5五の銀は攻めに働きそうです。

Dsc_0226(羽生九段の揮毫扇子。将棋会館1階売店にて)

Dsc_0220(佐々木七段と深浦九段の師弟扇子。深浦康市九段は王位獲得3期)