2022年9月 6日 (火)

終局直後

Dsc_0947(終局直後の様子)

Dsc_0959 【藤井王位の談話】
――序盤の駒組みを振り返って。
「△4四歩(36手目)から△4一飛は、この形になればやってみようかなと思っていたんですけど、そのあとがよく分からなくて。△5三金(52手目)と上がったんですけど、▲3五歩から▲5六歩と仕掛けられてみると、かえって当たりが強いような形になっているので、自信がない展開だなと思っていました」


――その後、5筋の位を奪還されることになった。
「△5三金(52手目)に代えて、違う手も考えなければいけなかったかなとは思います」


――▲9八角(81手目)の辺りは。
「本譜は3二金が浮く形なので、▲9八角と打たれることはあるのかなと思っていました」


――△1三角(94手目)と打った局面の手応えは。
「先手からピッタリした受けは難しいのかなと思っていましたが、▲7九歩と受けられたときに方針が分からなくなってしまって。本譜は▲8四金(97手目)と打たれてまた自信がない感じになったと思いました」


――▲4一角(111手目)の辺りは。
「本譜では苦しくてもおかしくないと思ったんですけど、流れからして、仕方がないと思って進めていました」


――そのあと手応えを感じたのは。
「△6八成銀(110手目)から△6九飛と打つ手が間に合う形になって、なんとか攻めの形を作れたのかなと思っていました」


――一局を振り返って。
「常に中盤以降は玉が薄くて、自信のない将棋だったんですけど、崩れずに指すことはできたのかなと思います」


――シリーズを振り返って。
「王位戦はすべて角換わりの将棋でしたけど、どの将棋も終盤が難しくて、長考しても分からない場面が多かったなと思います」


Dsc_0956 【豊島九段の談話】
――駒組みの辺りは。
「▲4五歩(39手目)と仕掛けられないと、あまり自信がない変化に合流してしまうので。仕掛けたあと、(再び)駒組みになったときに、あまりよくない手を指してしまったかもしれないです」


――1日目が終了したところは。
「▲5五歩(59手目)の局面は後手から手段が多そうなので、あまり自信なかったですね」


――△5七歩(62手目)の辺りは。
「嫌みを突かれて、こちらがまとめづらい感じかなと思っていました」


――▲9八角(81手目)の辺りは。
「▲9八角を打つと、相当使えない展開になるので……。でも、打たない手がちょっと分からなかったですね。▲5七飛(69手目)から▲8六銀のところも、何かあると思ったんですが、代わる手が分からない感じでした」


――▲7九歩(95手目)の辺りは。
「△1三角(94手目)がかなりきつくて、ダメかなと。▲7五歩と打つ攻め筋がなくなるのでつらいかなと思いました」


――▲4一角(111手目)の辺りは。
「△6四金(114手目)のときに何かあるかどうかですが、何かチャンスがあるとしたらそこかなと。ただ、どうやっても負けの順になってしまような気がしたので」


――▲5八金は強手(117手目)でしたが。
「ダメだと思いました」


――一局を振り返って。
「あまり思わしい順が見つからなかったです。いろいろ手段はあったと思うので、微妙に悪手をやっているんだと思います」


――シリーズを振り返って。
「早い段階で悪くなってしまう将棋が多くて、内容的にもよくなかったと思います」


書き起こし=玉響、撮影=生姜