図は藤井王位が8七に歩を垂らしたところ。この手は詰めろではありませんが、後手に角金銀のいずれかが渡ると先手玉は詰めろになります。したがって、ここで▲2八飛と寄って△2三歩▲同歩成△同金に▲3一馬から馬を捨てて詰めろを掛ける筋や、▲2三金と打ち、△同歩▲同歩成△同銀に▲2五歩と詰めろを掛ける筋はいずれも先手は詰まされてしまいます。控室では当初、この△8七歩の意図を計り知れないところがありましたが、検討を進めるにつれ「さすがですね。これはもう読みきっている感じの印象です」との声が上がりました。豊島九段はこの局面で30分考えており、残りは6分となりました。
2022年7月21日 (木)