16時53分、豊島九段は歩頭に桂を打っていきました。船江六段は驚きの様子で「へー、こういう手がありましたか。これは検討していませんでした。先手を持って少し攻め駒が足りない感じがしていたところで、豊島九段としては尋常な手では追いつかないと見て勝負にいった印象です。この▲2四桂自体は終盤の手筋として頻出しますが、本局の場合は飛車が2筋にいないため、取られたあとに攻めが続くか微妙なところがあります。ただ、豊島九段はほかの変化と比べて、この▲2四桂が最も勝機があると先ほどの3時間を超える長考で判断して勝負を懸けたのだと思います。ここから△2四同歩▲同歩までは進みそうですが、藤井王位としては桂を取るしかないところなら、ここで指さずに先々を考えるかもしれませんね」と解説しました。
2022年7月21日 (木)