2022年7月
豊島九段インタビュー
続いて、豊島九段にもインタビューが行われました。
(インタビューに応じる豊島九段)
――第1局、第2局を振り返ってください。
豊島 第1局は作戦がうまくいって、大きなミスなく指せました。逆に第2局は準備が不足していて、相手の作戦に対応できず、早い段階で悪くなってしまって。最後は、あとで確認した評価値よりは際どい感じなのかなと思って指していたのですが、ハッキリと1手負けの順を読みきられてしまって、チャンスがありませんでした。
――事前研究を重視したうえでの対局の難しさ、やりがいについてはいかがですか。
豊島 事前研究をそれほど重視しているというわけでもありませんが、角換わりだと定跡変化が長手数続きがちです。1手のミスも許されないような戦いになります。力戦なら、互いに少しずつ疑問手を指しながらもどうまとめていくかという将棋になります。いちばん重要なのは体調面や、将棋の実力をつけていくことですので、あまり事前研究に意識がいきすぎてもいけないのかなと思っています。
――第1局の前日インタビューで「詰将棋や棋譜並べといった一般的な練習を通じて意識が変わっていけば」と仰ったのが印象的でした。
豊島 基本的な練習は子どものころから続けていくのが大事だと思っています。その中で、やり方が固定しがちなので、新しい視点というか目のつけどころを少し変えてみるとか、それで自分の棋力が伸びるキッカケになればと考えています。
――ここまで先手番が勝っています。第3局への意気込みをお願いします。
豊島 手番はそれほど意識はしていませんが、自分らしい将棋を指して、熱戦にできればと考えています。
(書き起こし:虹/写真:潤)
以上で本日のブログ更新を終了いたします。明日からの2日間もどうぞよろしくお願いいたします。
藤井聡太王位インタビュー
記念撮影終了後、両対局者に主催紙からインタビューが行われました。まずは藤井王位から。
――本局は20歳となっての初対局となります。抱負をお願いします。
藤井 過去の棋士の例を見ますと、20代半ばまでの時間が大事になってくるのかなと思っています。その期間にしっかり実力を高めていけるように頑張っていきます。
――ここ中の坊瑞苑は2度訪れられており、2勝0敗です。中の坊瑞苑の印象はいかがでしょうか。
藤井 お料理が非常に美味しくて、温泉に入って、いつもリラックスして対局に臨めています。
――豊島九段について、今期2局指しての印象はいかがですか。
藤井 豊島九段は研究が深く、第1局では対応できなかったというところもありました。第3局は後手番ですが、そこをしっかり修正できるようにしたいです。
――事前研究を重視したうえでの対局の難しさ、やりがいについてはいかがですか。
藤井 序盤は展開を想定して対局に臨みますが、それが外れたあとの代案を出せるかが事前研究以上に大事なことです。準備はしっかりしつつ、研究だけに偏りすぎないようにやっています。
――第3局の意気込みをお願いします。
藤井 (同じ後手番の)第1局は完敗でしたので修正できればと思いますし、持ち時間も8時間ありますので、しっかり一手一手考えたいと思います。
(書き起こし:虹/写真:潤)