■勝った豊島将之九段の談話
――本局は中盤の拮抗した戦いが長く続いた。振り返って
豊島 指していても形勢判断が分からなかったですね。攻めを呼び込みすぎたような気がしていました。自玉がかなり危ない形になってしまい、上部に逃げ込んで意外と難しかったのかもしれませんが、指しているときは自信がありませんでした。
――勝ちが見えたのは?
豊島 後手玉の上部を手厚くされて、詰むか詰まないかになってしまいがちでした。読みきれてはいなかったのですが、▲3八桂(155手目)△3六馬▲2七銀と馬を追って、いけそうになったかと思いました。
――今期の王位リーグを振り返って
豊島 リーグ戦も結構苦しい将棋が多かった印象で、勝った中にも内容的には負けていた将棋もあります。負けた将棋はかなりひどい内容だったので、内容以上に成績がよくなったという感じでした。
――印象に残った対局は?
豊島 際どい将棋が多かったので、特にこの一局というのはありません。
――七番勝負の意気込みを
豊島 しっかり準備をしていい内容の将棋を指せるようにしたいです。前回は1勝しかできませんでした。あと1ヵ月弱あるので、もう少しいい戦いができるようにしっかりと準備したいと思います。
■敗れた池永天志五段の談話
――本局を振り返って
池永 出だしは少し自信のない戦いだったのですが、ずっと難しい将棋で形勢がよく分からなかったです。終盤に入ったあたりの折衝で間違えて、終盤戦はずっと苦しいのかなと思ってやっていました。
――見ていてハラハラドキドキの熱戦だった
池永 注目される舞台での対局だったので、熱戦になったのはよかったと思います。
――今期を振り返って
池永 負けの将棋を拾ったこともあったのですが、成績に関しては自分にしては上出来だったかと思います。
(書き起こし:飛龍/撮影:夏芽)