2022年5月

2022年5月31日 (火)

▲5四銀打

局面は終盤戦。豊島九段の玉が五段目まで上がっており、池永五段の玉との距離が近くなってきました。図の▲5四銀打は角の王手を防ぎながら、後手玉の寄せも視野に入っています。

▲5四銀打の局面で残り時間は▲豊島九段10分、△池永五段7分です。

関西将棋会館
(すでに外は暗くなっており、2階の道場は営業が終わっている)

△4四銀

時刻は19時を回りました。図の△4四銀は先手玉の上部を押さえながら、5三の地点の受けにも利かせた攻防手です。手番が回った豊島九段は、攻めるか受けるか方針が問われる場面。果たして、どちらがリードを奪っているのでしょうか。

豊島九段

△7七成銀

時刻は18時30分を回りました。池永五段の厳しい王手が続いていますが、先手陣の右辺が広いので、まだ明快に勝ちと言える局面ではなさそうです。

△7七成銀の局面で残り時間は▲豊島九段31分、△池永五段30分です。

モニター
(モニターに映る天井カメラの映像。池永五段が前傾姿勢で考えている)

大山十五世名人

関西将棋会館の4階には大山康晴十五世名人の肖像画が飾られています。大山十五世名人は1960年に第1期の王位を獲得。以降、第12期までタイトルを保持し、王位戦の最長連覇記録となっています。

△8六歩

池永五段が△8六歩と王手をかけた局面で豊島九段が考えています。

以下(1)▲8六同玉は△4五銀▲同銀右△7四桂の攻めがあり、(2)▲8八玉は△8七銀▲7九玉に△5八角(変化図)の詰めろ銀取りで、これらの変化は後手がよさそうです。よって先手は(3)▲7八玉が予想されますが、豊島九段は、その先の変化を読んでいるのでしょう。

この局面で豊島九段も残り1時間を切りました。池永五段は残り48分です。

変化図

豊島九段

▲8七同玉

その後、池永五段は守りの銀を前に送り出し、8筋の玉頭から攻め立てました。図の▲8七同玉の局面は飛車金交換の駒割り。先手は駒得ですが玉が孤立しており、貴重な手番は後手が握っています。

先手からは次に▲3三歩成や▲8一飛の反撃があるため、池永五段としては、このまま厳しく攻め続けたいところです。

池永五段