2021年7月14日 (水)

終局直後

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■藤井聡太王位
――相早繰り銀の序盤はどのような手応えだったでしょうか。
藤井 早繰り銀はあまり想定していなくて、少し任せるような感じでした。序盤でもしかしたら少し手の組み合わせがまずかったかもしれません。
――7筋を交換する形で4二玉型は珍しいと思ったのですが。
藤井 ▲5八金(33手目)にはすぐ△7五歩と合わせる手もあるかと思った。本譜は結果的に△4二玉(34手目)がマイナスの手になってしまったので、違う手を指すべきだったかもしれないです。
――封じ手になった▲6五歩(41手目)のあたりはどうだったでしょうか。
藤井 打った角が働く展開が難しくなってしまったので、失敗したかなと思っていました。
――封じ手は△6五同角(42手目)でした。控室では△7六歩も検討していましたが。
藤井 ▲5五角と打たれるラインを消して息長く指せればと思っていたんですけど、本譜シンプルに銀交換されて、まとめ方が難しくなってしまった気がしました。6五の角が中途半端な位置のまま戦いになってしまって、苦しいと思っていました。
――豊島竜王が▲6六銀(63手目)~▲5五銀(65手目)と強く攻めてきて、攻め合う形になりました。
藤井 △8八金(70手目)~△8七飛成(72手目)と成り込んで攻め合いの形にはなったんですが、駒が少ないので形勢は依然苦しいと思っていました。本譜△4四銀(82手目)と受けてそのあと△5一玉(86手目)と引いた形が、詰めろが続かなければそれで難しいところも出てきたのかな、とは思いました。
――逆転の手応えはどのあたりであったでしょうか。
藤井 △7七桂(90手目)と打ってこちらの玉が詰まない形なので、難しくなったなとは思いました。
――第3局に向けての意気込みをお願いします。
藤井 タイに戻すことができたので、気持ちを新たにして精いっぱい戦いたいと思います。

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■豊島将之竜王
――早繰り銀でいきました。相早繰り銀は想定されていましたか。
豊島 早繰り銀は予定でした。相早繰り銀はそれもあるかなと。
――封じ手の局面、1日目の手応えはどうだったでしょうか。
豊島 ちょっとよくわからなかった。▲6五歩(41手目)に対していろいろあるので。そんなに悪くはないかなと思ったんですけど……。
――▲6六銀(63手目)~▲5五銀(65手目)と力強い攻めに出られましたが、このあたり、形勢判断はどのように思っていましたか。
豊島 いろいろ選択肢があるので、何かひとつよくなる順があればと思ったんですけど、結局、明快な手がわからなくて。▲6六銀(63手目)に代えて▲7六同銀と取る手とか、あとは△8六歩(64手目)のとき▲同歩とか、▲5四銀(67手目)と角取らないで▲7九金と引くとか、いろいろ考えたんですけど、よくわからない、明快ではない気がしたので。わからなかったです。途中はけっこう模様がよかったと思うんですけど、具体的に手がわからなかった感じです。
――△3三同銀(76手目)のあたりはどうでしょうか。
豊島 ▲5九玉(77手目)に代えて▲7五角とかでいきたかったんですけど、打ったあとの詰む詰まないで誤算があったので。攻めていっていけるつもりだったのが、先のほうのことが正確に読めていなかったので。
――▲6九銀(81手目)と受けたところは見ていて大変なのかなと思いました。
豊島 予定変更になっているので、ちょっとまずそうな気がしていました。互角くらいで勝負する手もわからなかったので。難しいか悪いかどちらかですかね。
――これで1勝1敗になりました。第3局に向けての意気込みをお願いします。
豊島 気持ちを切り替えて、コンディションを整えてまた頑張りたいと思います。