2021年6月30日 (水)

ダブルタイトル戦

今回の七番勝負は、藤井聡太王位に豊島将之竜王(叡王)が挑戦する構図です。本局の数日前に、第6期叡王戦挑戦者決定戦で藤井王位が勝ち、豊島叡王への挑戦権を得ました。二人が相手の城を攻めかかろうとしています。叡王戦五番勝負は7月下旬から始まり、王位戦の七番勝負と並行して行われるため「十二番勝負」といわれています。
ここ数年の将棋界は戦国時代の傾向があり、タイトル戦登場者が多かったため、2者が連続で番勝負を戦うケースはしばらくありませんでした。2019年度に豊島名人と木村一基九段による第60期王位戦と第32期竜王戦挑戦者決定三番勝負という例はありますが、タイトル戦が続いた例は、直近では2014年度における、森内俊之竜王・名人と羽生善治三冠(王位・王座・棋聖)による第72期名人戦七番勝負と第85期棋聖戦五番勝負です。結果は名人戦で羽生三冠が4連勝で奪取、棋聖戦は羽生棋聖が3連勝で防衛と、意外にも最短の7局で決着がついてしまいました(肩書はいずれも当時のもの)。
本局時点では、王位戦七番勝負と棋聖戦五番勝負が並行しています。藤井王位は王位戦で豊島竜王、棋聖戦で渡辺明名人の挑戦を受ける立場です。これら3タイトル戦は今後の将棋界を占う意味で重要です。

20210630_double1_2 (白熱した夏になりそうだ)