2020年8月20日 (木)

終局後の様子

終局後
(終局後の様子)

藤井聡太新王位

■藤井聡太新王位へのインタビュー

── ▲2五飛(23手目)は珍しいが、序盤はどのように手応えを感じていたか?

藤井 ▲2五飛~▲1五歩と積極的に動かれて。そこでこちらがどうバランスを取ればいいのか、難しいのかなと思いました。

── 36分考えての封じ手△8七同飛成(42手目)で、激しい展開になっていった。そのあたりはどうだったか?

藤井 少し苦しいのかなと思って。▲8七銀(41手目)に△2六飛は▲2七歩で飛車が働かなくなってしまうので、△8七同飛成で勝負しようと思いました。

── 44手目△3三角に▲5五角から再度△3三角(48手目)のあたりは?

藤井 △3三角(48手目)のあとに本譜の△8六歩(50手目)~△8八歩という攻め筋があるので、こちらにも楽しみが出てきたような気がしました。

── △8九歩成(54手目)~△7九角のあたりの手応えは?

藤井 △7九角(58手目)~△9九ととして、難しいですが、攻めがつながる形になってきたような気がしました。

── 勝ちを確信したのは?

藤井 最後はこちらの玉にかなり怖い形が続いたので、分からなかったのですが、▲4二飛(75手目)には△7一玉と引いて何とか一手勝ちの形なのかなと思いました。

── 4連勝でタイトル獲得。シリーズを振り返って?

藤井 自分にとって初めての2日制の対局でしたし、その中で自分としてもいろいろ得るものがあったと思います。内容的には押されている将棋が多かったと思うので、4連勝という結果は望外というか、自分の実力以上の結果が出た気がします。

── 王位のタイトル獲得の率直な心境?

藤井 まだあまり実感がないのですが、今回の七番勝負でいろいろいい経験ができたと思うので、それを生かせるように引き続き、頑張っていきたいと思います。

── 最年少二冠、最年少八段については?

藤井 対局に臨むに当たって、まったく意識していなかったことではあるのですが。ヒューリック杯棋聖戦と王位戦、今年は2つのタイトル戦に出ることができて、その中で好結果を残すことができたのは収穫だったと思っています。

木村一基前王位

■敗れた木村一基前王位へのインタビュー

── ▲2五飛(23手目)は研究?

木村 やってみようと思っていたものでした。

── 序盤の手応えは?

木村 先手としてはいいとは思っていませんが、まずまずのものだったかなあ、とは思っていました。今日に入って▲5五角(45手目)が気が変わっちゃって、▲6六角のつもりでずっと組み立てていたのですが、予定変更してから攻められる展開になってしまって、ちょっと悪い流れを引きずりながらやったように思います。最後は差が開いてしまいましたので、よくなかったですね。

── △8八歩(52手目)~△7九角は鋭い構想?

木村 そうですね。損のないようにやられてしまった感じがしています。

── 七番勝負を振り返って?

木村 ストレート負けは恥ずかしい限りで、申し訳ないと思っております。また一から出直します。

── 藤井棋聖が相手で注目度高かった。やりにくさなどは?

木村 いつもどおりに指すように心がけていましたので、特に何か意識したことはありません。

── ストレート負けの要因は?

木村 分かりません。家に帰って反省します。


(書き起こし:飛龍記者/写真:夏芽)