■木村一基王位へのインタビュー
── 前局から3週間ほどを空けて第3局の開催になりました。どのような準備をされましたか?
木村 第2局は大逆転負けをし、痛いところではありましたが、よい面も少しですが出ましたので、その点は救いと言いますか、前向きな考え方ができるようにはなりました。第3局は改めて後手番で、作戦もガラッと変わってきますので、そういったことも切り替えて臨むようにしました。
── 先後1局ずつ指し終えて、藤井棋聖の印象は?
木村 第2局でも同じようにお答えしましたが、よく考えるなあ、しっかり考えるなあと感じました。そういう点では、ミスの少ない棋士だと感じました。
── 藤井棋聖が初タイトルを獲得されましたが、木村王位はどのように見ていましたか?
木村 (史上最年少タイトル獲得の)記録を作ったことは大変な偉業だと思います。ただ、いつかは取るだろうと同業のたくさんの棋士が見ていて、私もそのひとりでしたし、特にそれによって変わるということはありません。第1局、第2局と同じように全力でぶつかっていくだけだと考えております。
── 神戸、有馬温泉の対局について。
木村 有馬温泉は、ここにしかない泉質ですので楽しみにしておりました。神戸新聞社さまには、いつも快適な対局場を用意していただき、こういうコロナの影響があっても予定どおり開催できたことをありがたく思っております。できればよい内容の将棋を指して、感謝をお返ししたいと思っております。
── 改めて第3局への意気込みをお願いします。
木村 番勝負に何度か出させていただいて、ちょっとした積み重ねがとても大事だと感じました。スコアとしては苦しいですが、いっぺんに2局、3局と勝てるわけではありませんので、1局1局、特に明日、明後日を大事に指したいと思います。
── 前局から3週間ほど空けて第3局の開催になりました。
藤井 第2局からしばらく経ちましたので、その間に第3局に向けての準備もできましたし、よい状態で臨めるのではないかなと思っています。
── 先後1局ずつ指し終えて、木村王位への印象は?
藤井 ここまでの2局で、こちらが気づかないような力強い好手を指される場面が多かったので、第3局以降も、そういった感覚、指し手を勉強して、よりよい内容にしていければと思います。
── 棋聖獲得から半月ほどが経ちました。
藤井 棋聖という立場になりましたが、自分としては、これまでと変わらず対局にも臨めているかなと思います。
── 今回は温泉地の旅館での対局になります。雰囲気や印象は?
藤井 今回は有馬温泉での対局で、自分としては温泉が好きなので楽しみにしていました。先ほど検分のほうで対局室を見させていただきましたが、非常に落ち着いた雰囲気で、明日に向けて気が引き締まる思いでした。
── 兵庫県や神戸にまつわる思い出、エピソードはありますか?
藤井 神戸は谷川(浩司九段)先生の出身地として有名で、自分も神戸のイベントで谷川先生とご一緒させていただいたことが思い出深いです。
── 改めて意気込みを聞かせてください。
藤井 王位戦は2日制なので、明日、明後日と集中して、よい将棋が指せるように頑張りたいと思います。