先手リード 飛車を追い回され、後手が苦しげな展開です。ここしばらくの控室の検討は「どうすれば後手が戦えるか」という観点で進められています。図の▲8五桂も「いい手ですね」と澤田六段。7筋の壁が消えたうえに、△8五同桂なら▲9一角成から▲8五飛を狙えます。先手がリードしているのは間違いないようです。 (継ぎ盤は2面。杉本八段と澤田六段は後手をもって考えている) (後手の手段を見つけようとする澤田六段。思わしい変化がなかなか出ない)
飛車を目標にする 図の▲4六桂は57分の考慮で指されました。飛車を取りにいく手ですが、すぐに指すのはやや意外という声が控室では上がっています。(1)△2四飛は▲同飛△同銀▲2一飛が厳しいです。実戦は(2)△6四飛に▲5五角と進みました。後手の飛車は最終的に1四に逃げることになりそうです。 (竹内貴浩・指導棋士四段が来訪。豊島王位とはかつて研究会仲間だった)
先手2歩得、後手歩切れ 先手は図の少し前に2五の歩を奪い、2歩得になりました。横歩取りの初期設定である1歩得(横歩を取った得)から前進しています。対して後手は歩切れです。澤田六段は「普通は先手を持ちたい人が多いと思います」といいます。図でぱっと指すなら(1)▲6八銀です。7筋の壁を消しつつ、玉頭を厚くする自然な手です。勝ちにいくなら(2)▲8三桂が考えられます。持ち駒の桂を使って香を取りにいくのは、あまり筋のいい手ではありませんが、後手が歩切れで香の価値が高いため、先手としては追求したくなる変化です。「▲8三桂△6四角▲2八歩で後手に何もなければ、▲8三桂を指すかもしれません」と澤田六段。 (澤田六段、検討中)
1日目 午後のおやつ 15時になり、両対局者に午後のおやつが出されました。 (豊島王位が注文した季節のフルーツ盛りとふじすりおろしリンゴジュース) (木村九段はプリンキャラメルアイスのせとオレンジジュースを注文)
1日目午後の進行 再開後の豊島王位は▲3三角成(1図)と角交換。▲4八金を保留して攻める姿勢を見せました。 以下△同桂▲7七桂△5五飛▲6六角△5四飛▲2五桂(2図)と進行。豊島王位が飛車角桂を駆使して襲い掛かります。豊島王位の攻め、木村九段の受けという構図の戦いになりそうです。