2019年6月

2019年6月 4日 (火)

▲羽生-△永瀬戦の終局直後の様子です。終局後は、主催者インタビュー、羽生九段の記者会見、感想戦、という順で進められました。

Dsc_9858(終局直後の羽生九段)

――対局を振り返っていかがでしたか。

羽生 似た将棋を指したことがあって、そのときはうまくいかなかったので少し手順を工夫してみましたが、攻めを呼び込む形になって非常に怖かったです。

――中終盤の攻防について。

羽生 よくわからなかったです。こちらもギリギリの受けのところなので。思いきって受けに回ってどうなるかと思いながらやっていました。

――どこでいけそうだと感じましたか。

羽生 ▲3四玉(125手目)のところで、正しく指せばいいのではないかと思いました。

――歴代1位の通算1434勝を達成しました。

羽生 今年に入ってからは、ひとつの大きな目標にしてきました。前局は負けてしまったので、今回達成できて非常にうれしいです。

――これで挑戦者決定戦に進出しました。

羽生 もう2日後で、すぐなのですが、気力を充実させて臨みたいと思います。

Dsc_9892(同じく永瀬叡王)

――対局を振り返っていかがでしたか。

永瀬 とても難しい将棋でした。途中の攻防では手応えのある局面もあったのですが、そこで形勢が離れてしまったので、もう少し接戦にできればと思いました。

――今期が初めてのリーグ入りでした。

永瀬 トーナメント戦とは違い、1敗してもチャンスはあったのですが、それを生かせなかったのは残念でした。

Dsc_9862(すぐに報道陣が詰めかける)

Dsc_9910(インタビューのあと、羽生九段はいったん会見場へ)

20190604a


豊島将之王位への挑戦を目指す第60期王位戦(主催:新聞三社連合)挑戦者決定リーグ白組プレーオフの永瀬拓矢叡王-羽生善治九段戦は、19時43分に133手で羽生九段の勝ちとなりました。消費時間は▲羽生3時間51分、△永瀬3時間59分。羽生九段が挑戦者決定戦に進出。紅組プレーオフの木村一基九段-菅井竜也七段戦の勝者と対戦します。
また、羽生九段は通算1434勝を達成。歴代勝数一位の新記録を達成しました。(銀杏)

S100_2

▲羽生-△永瀬戦、7六にいた銀を△6五銀と引いて図。そこで羽生九段の指した▲7七桂が好手と評判です。△5六銀が怖いですが、問題ないと見切っているようです。もし△5六銀が利かないとなると、▲7七桂は遊び駒の活用で抜群の味。そして、実戦は▲7七桂に△5四銀でした。羽生九段がリードを広げています。

Dsc_9789(朝の羽生九段)

A099

紅組の▲木村-△菅井戦は、△9四歩▲5九金で図の局面。渋い2手です。一気に決着する雰囲気はなく、それどころか相入玉含みの長期戦を予想する声もあります。

S097白組の▲羽生-△永瀬戦は、どちらも大駒が敵玉に迫り、決着に向かっているようです。先手よしと見られていますが、斬り合いの将棋なので予断を許しません。

A093

▲木村-△菅井戦、互いに竜ができています。まとめにくいと見られていた先手ですが、現状は手持ちの金銀で粘りが利きそうですし、攻めるとなれば▲7四歩△同歩▲6五桂の楽しみもあります。後手も勝ちきるのは大変そうです。


Dsc_9716(朝の菅井七段)