2019年6月

2019年6月 4日 (火)

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▲羽生-△永瀬戦、図の局面は、飛車で挟まれた2五銀はもちろん、3二金も後手の負担になりそうでした。たとえば、(1)△2一飛▲2二歩△2六歩▲3七飛△3一飛は、▲2一歩成△同飛▲5三角成△同玉▲3二飛成で金を取られてしまいます。そこで永瀬叡王がひねり出したのが(2)△2六金。飛車先をさらに重くする異筋の手です。AbameTVに出演中の中川八段は「衝撃の一手。見たことがない」と驚いていました。

Dsc_9758(「不倒」「負けない将棋」の永瀬流が実るか)

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紅組の▲木村-△菅井戦は、△1四歩▲4五歩△1五歩で図の局面。後手はじっと動かず、相手の形が崩れるのを待っているようにも見えます。先手は8八角を働かせるには7七角をさばく必要があり、7七角をさばくには4四銀をどうにかしないといけませんが、▲3五銀は△2五飛が気になります。先手のほうが苦労の多い将棋といえます。

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白組の▲羽生-△永瀬戦は、△8八歩▲同角で5五にいた角を引かせ、さらに△4六歩として図の局面。△8八歩と△4六歩はいずれも打った歩です。これで後手は歩切れになりました。AbemaTVでの解説によれば、後手が忙しい局面から、やや無理をして動いているようです。

まとめると、▲木村-△菅井戦は後手ペース、▲羽生-△永瀬戦は先手ペースという状況です。

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▲木村-△菅井戦、後手が飛車を大きく使い、先手を揺さぶっています。先手は玉の左右に壁を抱え、対応に苦労している印象を受けます。図の局面は、次に△8四飛打があります。仮に図で▲4五歩と銀を支えると△7八飛打があり、以下▲7七角打は△8八飛成▲同角に△3六角が受けにくい王手になります。先手がまとめきれるかどうか、という局面です。


Dsc_9763(休憩明け直前の様子)