2018年6月
終局直後の様子
終局後に両者にインタビューが行われた。
激戦を制して、王位戦初挑戦を決めた豊島八段。
【豊島八段の談話】
――本局を振り返っていかがでしたか。
「最後の最後までわからない状態でした。途中はちょっと苦しそうな局面もあったと思います」
――どのあたりで、良くなったのでしょうか。
「△4七金(120手目)と取って、何もなければ勝っているような気がしました」
――これで挑戦権を得ました。七番勝負に向けてはいかがでしょうか。
「しっかりと調整をして、よい将棋を指せるように頑張りたいと思います」
敗れた羽生竜王。
【羽生竜王の談話】
――本局を振り返っていかがでしたか。
「なんかちょっと攻め込まれる形になってしまった、模様が悪い展開が続いていたような気がします。難しいところもあったような気がするんですが、よくわからなかったですね」
――終盤までギリギリだったように思いましたが。
「そうです。ちょっとどうやればよかったのかが、よくわからなかったです」
豊島八段が王位初挑戦を決める
126手で豊島八段が制して王位初挑戦を決めた。終局時刻は19時59分。消費時間は、▲羽生3時間59分、△豊島3時間57分。七番勝負は7月4日・5日(水・木)に愛知県豊田市「ホテルフォレスタ」で開幕する。
(吟)
後手が寄せに出る
図の△7九角は、後手が寄せに出た手。形勢難解と見ていた控室の検討陣ですが、この手を見て検討した結果、先手がしのぐ手段が見つかっていません。急転直下、後手が優勢になった可能性が高いと見られています。
終盤戦へ
時刻は18時50分を回りました。
局面が進み、いよいよ終盤戦に入ります。控室では、基本的に先手優勢と見て検討を続けていますが、具体的に差を広げるのは容易ではなく、まだまだ難解なようです。
先手が盛り返す
図は17時10分頃の局面。
後手は6五桂を取り、先手は8五桂を取りました。控室の佐々木大四段は「先手が8五桂を取れたのは大きいです。先ほどまでは先手を持つのは少しつらい印象でしたが、現局面はどちらを持っても互角だと思います」と語った。
▲7六歩には△同飛が一番自然ですが、▲7七銀と引かれて、以下△7四飛は▲6六桂、それ以外の場所に逃げると▲6四飛があって、先手の駒がさばけてきます。といって、後手もほかの手が難しいようです。