菅井七段の先手で始まった第4局は、▲5六歩△3四歩▲5八飛の出だしから、羽生王位が向かい飛車の作戦を採用。対して菅井七段は9筋を突き越す積極策で、相振り飛車戦となったと見られました。ところが図からの次の一手をモニターで見ていた井上日本将棋連盟常務理事は、「あっ」と大きな声を出しました。
菅井七段の手は5筋にいる飛車に伸びて、▲2八飛と2筋に戻しました。手損ながら居飛車で振り飛車を迎え撃つ作戦です。師匠でもある井上日本将棋連盟常務理事は「いまからまた振り飛車にしたいくらいに見えるけど」と、弟子側を持って現局面の感想を述べました。
(開始早々、驚きの構想を見せた菅井七段)