――この一局を振り返って、いかがですか。
羽生 ▲6七角(31手目)と打ったのがどれくらい利くかという将棋だったのですが、そうですね、判断がつきかねるような局面がずっと続いていたような気がします。
――▲3五桂(65手目)から攻めていった辺りはいかがでしたか。
羽生 そんなにはっきりとした成算があったわけではないですが、ゆっくりともしていられないので、動いていくしかないかなと思っていました。
――そのあとの▲9七歩(93手目)辺りはじっくりいかれたのかなと思ったのですが、終盤はいかがでしたか。
羽生 ずっと見通しが立たない感じの将棋だったので、最後に寄せの筋が見えて初めてよくなったかなと思いました。
――菅井七段は、一局を振り返っていかがですか。
菅井 ちょっと序盤がよくなかったと思います。
――序盤のどの辺りでしょうか。
菅井 うーん……。具体的には難しいですけど、ちょっと序盤から苦しかった感じがしますね。
――そのあとは駒が上ずってしまう展開になりましたが。
菅井 1日目の辺りでだいぶ苦しそうなので、まずかったですね。
――その後、終盤まではいかがでしたか。
菅井 いや、さすがにあまりいいところがなかったです。