2017年5月

2017年5月22日 (月)

81▲豊島-△佐藤天戦は先手好調で推移していましたが、ここにきて後手の方針がわかりやくなり、実戦的には互角に近い形勢との評判です。佐藤天名人は持ち時間の残りが7分(豊島八段は1時間35分)と追い込まれていますが、「持ち時間を考えても、現局面はやる気が出てくる展開でしょう」と検討陣の見解です。

62▲佐々木勇-△丸山戦は、後手が玉頭の成桂を放置して攻めに出れば、先手も△8七銀の狙いを放置して反撃する非常に激しい攻め合いに進んでいます。
検討陣は「やや先手ペース」と評していますが、大きな差はついていない模様です。難解でスリリングな終盤戦を制するのはどちらでしょうか。

63紅組の▲山崎-△阿久津戦は63手まで山崎八段が勝ちました。終局時刻は16時19分。消費時間は、▲山崎1時間33分、△阿久津3時間37分。

この結果、山崎八段、阿久津八段はともに2勝3敗でリーグを終えています。また、阿久津八段が敗れたことで、リーグ残留の権利は澤田六段と木村八段の両者に確定しました。

「投了図から、後手は△6七銀▲7九銀に△4七銀と金を取りにいくぐらいですが、先手はそこで攻め合うか、▲4九金△3七歩成のときに攻め合えば手勝ちできそうです。後手は駒が足りない形なので、望みがないと見て投了されたのでしょう。先手は▲2三歩(37手目)△同銀▲2四歩と仕掛けたのが機敏な動きだったと思います。馬を作ってペースを握ったように見えます」(控室に来訪した松尾八段)

先手:山崎隆之八段
後手:阿久津主税八段

▲7八金 △3四歩 ▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △8五歩
▲2五歩 △3二金 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲3四飛 △3三角 ▲6八玉 △2二銀
▲3六歩 △8二飛 ▲3五飛 △4一玉 ▲3八銀 △5一金
▲3七桂 △6二銀 ▲2五飛 △8六歩 ▲8五歩 △5四歩
▲3三角成 △同 桂 ▲2九飛 △5五角 ▲8八銀 △7四歩
▲2三歩 △同 銀 ▲2四歩 △1二銀 ▲2三角 △2二歩
▲5六角成 △8五飛 ▲6六歩 △7三桂 ▲7四馬 △3五歩
▲7七桂 △8七歩成 ▲同 銀 △同飛成 ▲同 金 △3六歩
▲4八金 △3七歩成 ▲同 銀 △3六歩 ▲4六銀 △同 角
▲同 歩 △5五桂 ▲3四歩
まで63手で先手の勝ち

65_2▲広瀬-△阿部隆戦も、角換わりから後手が千日手含みの手待ちをして、じりじりと進んでいましたが、先手が▲1五歩△同歩▲5五歩△同歩▲3五歩と仕掛けて、全面的な戦いが始まろうとしています。
▲3五歩までの消費時間は▲広瀬2時間4分、△阿部2時間19分。

【図の局面までの棋譜】

▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △3二金 ▲7八金 △8五歩
▲7七角 △3四歩 ▲8八銀 △7七角成 ▲同 銀 △2二銀
▲3八銀 △6二銀 ▲4六歩 △6四歩 ▲4七銀 △7四歩
▲3六歩 △6三銀 ▲6八玉 △6二金 ▲3七桂 △3三銀
▲2九飛 △7三桂 ▲4八金 △8一飛 ▲9六歩 △9四歩
▲1六歩 △1四歩 ▲5六銀 △6一玉 ▲7九玉 △7二玉
▲2五歩 △5四歩 ▲6六歩 △5二金 ▲8八玉 △6二金
▲6七銀 △5二金 ▲5六歩 △6二金 ▲2七飛 △5二金
▲2八飛 △6二金 ▲2九飛 △5二金 ▲9八香 △6二金
▲9九玉 △5二金 ▲8八金 △6二金 ▲7八銀 △5二金
▲1五歩 △同 歩 ▲5五歩 △同 歩 ▲3五歩

Img_5113穴熊に組んでから仕掛けた広瀬八段。

Img_5110待ち続けた阿部隆八段はどう迎え撃つか。