羽生王位が指した△3五歩▲同歩△2四銀の仕掛けは、部分的に20年以上前から見られるもの。羽生王位著『羽生の頭脳』や吉田正和五段著『これからの角換わり』などで紹介されています。仕掛けのタイミングや双方の手待ちの仕方によって、微妙に展開が変わります。
以下に紹介するのは1991年に行われた第32期王位戦七番勝負第3局▲谷川浩司王位-△中田宏樹五段(肩書はいずれも当時)戦。
この将棋は▲7九玉・▲5八金、△3一玉・△5二金型で△3五歩の攻めを敢行しました。谷川王位が▲4七金としっかり受けたため、本局とは異なる展開に進んでいます。中盤の▲3五金から▲2四飛までが好手順で谷川王位が押し切りました。
本局の先手は玉がしっかりしている代わりに、右金で右辺を守れず、△5九角が生じた面があります。(銀杏)
開始日時:1991/08/06 09:00
終了日時:1991/08/07 15:37
棋戦:第32期王位戦七番勝負第3局
持ち時間:各8時間
消費時間:101▲324△443
場所:徳島市「徳島パークホテル」
先手:谷川浩司王位
後手:中田宏樹五段
▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △8五歩 ▲7七角 △3四歩
▲8八銀 △3二金 ▲7八金 △7七角成 ▲同 銀 △4二銀
▲3八銀 △7二銀 ▲4六歩 △6四歩 ▲4七銀 △6三銀
▲6六歩 △4四歩 ▲5八金 △5二金 ▲6八玉 △4一玉
▲7九玉 △3一玉 ▲3六歩 △7四歩 ▲5六銀 △5四銀
▲9六歩 △9四歩 ▲3七桂 △1四歩 ▲1六歩 △3三銀
▲4八飛 △3五歩 ▲同 歩 △2四銀 ▲3四歩 △3五銀
▲4七金 △2六銀 ▲2八飛 △3五銀 ▲2五桂 △4三金右
▲1五歩 △2四歩 ▲3三歩成 △同 桂 ▲同桂成 △同金寄
▲1四歩 △1二歩 ▲3四歩 △同 金 ▲7一角 △5二飛
▲3六歩 △4六銀 ▲同 金 △3七角 ▲3五金 △同 金
▲6一銀 △9二飛 ▲2四飛 △2三歩 ▲2九飛 △3四金
▲5三角成 △4二桂 ▲4三歩 △同 金 ▲同 馬 △同 銀
▲2三飛成 △3二金 ▲2二金 △同 金 ▲4三龍 △3三金打
▲8三龍 △3二玉 ▲4三歩 △2三玉 ▲4二歩成 △同 飛
▲3一銀 △3二飛 ▲2二銀成 △同 飛 ▲2五歩 △同 金
▲3五桂 △2四玉 ▲3三龍 △同 玉 ▲4三金
まで101手で先手の勝ち