2014年8月
2014年8月28日 (木)
感想戦
終局直後
■羽生善治王位
――仕掛けから封じ手のあたりはいかがだったでしょうか。
羽生 歩を突き捨てられて攻められる形になったので、しばらくは受けに回らなくてはいけない将棋なのかなと思って指していました。
――香車を取り返した(69手目▲9一角成)あたりはいかがでしたか。
羽生 あのへんはちょっとよくわからなかったですね。歩得が生きるような展開にしたいとは思っていたんですけど、具体的に何があるか、というのはちょっとはっきりしない局面が続きました。
――▲3九香(73手目)から3筋を攻める展開になりましたが、あのあたりは。
羽生 ▲3五歩(81手目)と打って攻めの手番が回ったので、あの辺りは面白くなったかなと思いました。
■木村一基八段
――仕掛けられる展開でしたが、そこから反撃したあたりはいかがでしたか。
木村 多分、どこか間違えているんだと思います。もうちょっといい順があったと思うんですが。
――先に駒得する展開になりましたが。
木村 そうですね。いや、難しいんですけど。羽生さんが言われたように、飛車と香が連動する形になって、差が開いちゃったかなと。
(文)
羽生王位、勝利
七番勝負第5局は123手で羽生王位の勝ちとなりました。終局時刻は18時17分。終局時刻は18時17分。消費時間は▲羽生7時間3分、△木村7時間59分(持ち時間各8時間)。羽生王位が3勝目をあげ、防衛に王手をかけました。第6局は神奈川県秦野市「元湯 陣屋」にて行われます。
(虹)
東京・将棋会館の解説会
手堅い選択
羽生王位は▲8五角(図)と打ち、△6三歩▲7六角と進めて玉頭の歩を払った。これが手堅い選択と評判だ。
歩を払った手は、次に▲3三歩成△同金▲4二歩成△同玉▲3四歩という寄せを狙って速い。遊び駒になると懸念されていた成銀も、こうなると立派な攻め駒として働いている。
(文)