図の局面で千田四段は▲3五銀と引きました。「ひえー」と佐々木勇五段、「きたきた」と伊藤真五段。普通に指すなら▲3三銀成△同金上が思い浮かぶところです。攻めの銀と守りの銀の交換になり、手番も握れます。そのいずれも放棄する▲3五銀は意表の手。千田四段独自の感性がでた手といえるかもしれません。
「先手は一連の攻めで1歩損になりましたが、歩切れは解消できました。これは先手のポイントです。▲3五銀に△8四歩▲7八金△7二飛は今度こそ▲2四歩から銀交換をするかもしれません。▲8三銀の打ち込みがあります」と岡崎六段。4六銀・3七桂型(後手なので6四銀・7三桂型)でよくみる攻め形は使いにくいようです。岡崎六段は「後手の方針が難しい」と付け加えました。
2014年5月26日 (月)