図から△6四角▲8六角△7四飛▲6四角△同飛▲8六飛△8四歩▲3八金と進みました。図と△6四同飛の局面を比べると、後手は2四歩を守っただけで、手番は先手に移っています。鈴木八段は「後手は粘っています」と話しています。▲8六飛△8四歩も歩を打たされて辛抱の順。先手の模様がよくなってきました。ただ、先手も駒得や大駒の成り込みなど、具体的な戦果はまだあげていません。本格的な戦いはもう少し先になりそうです。
(牛蒡)
2014年5月
2014年5月26日 (月)
先手作戦勝ち
千田四段は図で時間を使って△3三同桂と取りました。「△3三同銀は△2四歩とのバランスが悪い」という意見が出ていましたが、△3三同桂も▲7七桂(△8八歩の防ぎ)のあとに▲2四飛が残ります。検討陣の評価は「先手の作戦勝ち」。ただ、千田四段は中終盤の腕力に定評があります。ここからの追い込みに注目です。
(牛蒡)
力戦調の横歩取り
△2四歩の意味
図の△2四歩は非常にめずらしい手です。昨年度の順位戦C級1組、▲中村太地六段-△菅井竜也五段戦では△2三歩が指されていますが、△2四歩はまだ指されていません。「コンピュータ将棋ソフト同士の対戦で△2四歩は指されているのかなあ」と控室の関係者。ちなみに定跡は△2二銀です。
△2四歩はひねり飛車模様にする狙いと思われます。部分的に示された手順は△8八角成▲同銀△3三桂~△2五歩~△2四飛。ほかには△2二銀~△2三銀で銀冠する可能性もあります。紅組プレーオフの▲広瀬八段-△千田四段戦は、中盤戦で後手が銀冠に組んでいました。
実戦は図から▲8七歩に△9四歩と進みました。「△2四歩と△9四歩の組み合わせは難しい」と鈴木八段はうなっています。