会場に「地元の将棋ファンの女性から花束の贈呈があります」とアナウンスが流れる。壇上の四人はカメラマンに促され、何回も花束を受け渡すことに。羽生王位も藤井九段も、リクエストに笑顔で応えていた。
■羽生王位
「将棋界は7月に入って王位戦が開幕します。今日は中央線で松本まで来たのですが、夏の日差しといいますか、清々しい空気だなと感じていました。松本市は昔、10代のときだったと思うのですが、一度遊びに来たことがあります。お城などを見学した記憶があります。ですから20数年ぶりに、ここの地を訪れることができたことをうれしく思います。今回は藤井さんという同世代との対局です。非常に独創性に溢れる、いろいろな将棋を指される方ですので、明日からは緊張感を持って、面白い将棋を指せるように頑張りたいと思います」
■藤井九段
「私は王位戦のタイトル戦に出るのは初めてで、また長野でタイトル戦を指すのも初めてです。自然に囲まれた場所で将棋を指せることをうれしく思いますし、こういった環境を準備していただけると大きな勝負を戦うのだなあという実感が湧いています。実は私は群馬県出身なんですが、野球は中日ドラゴンズのファンで(注・本局は中日新聞主催)、野球と将棋は直接関係ないのですが、小学校の頃から中日ファンなので、この王位戦だけはどうしても出たいと昔から思っていまして、その夢が叶いました。はりきっていきたいと思っております。また二日制の対局も久しぶりなので、力の限りいい将棋を頑張って指したいと思います」
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