2012年5月

2012年5月30日 (水)

20120530119

「もうどうやっても後手勝ちでしょう」
控え室では何度となくそんな声が出ていますが、検討の手はまだ止まっていません。
渡辺竜王は逆転されてから、最後の決め手を与えずに粘り続けています。

(八雲)

2012053098

図の△6五桂が厳しく、控え室の見解は「後手が逆転している」で一致しました。
ただし、検討を進めてみると、まだ難しいところはあり、後手勝勢とは断じきれないようです。

白熱の終盤戦、渡辺竜王がここから底力を見せる可能性もあります。

20120530mo1955
(19時55分頃、渡辺竜王は上着を脱いで半袖のワイシャツ姿になった)

(八雲)

2012053086

細いと見られていた後手の攻めですが、本家のガジガジ流はさすがの食いつきを見せました。

控え室では、
「もう全然わからない」
「逆転してるかも」
「振り飛車を持ってやる気が出る展開」
の声があがり、検討は非常に盛り上がっています。

272_2
(19時30分頃の控え室)

(八雲)

2012053076

△6九銀から▲4二と△4一歩▲3二飛△6二金引と進みました。この間控え室の予想はまったく当たらず、一手進むごとに驚愕の声があがっています。「控え室の予想が当たりだすと終局が近い」と言われますが、予想が外れ続けている本局は、まだまだ難解な終盤が続くのかもしれません。

(八雲)

2012053071

藤井九段の魂の勝負手△3三桂に対して、渡辺竜王は▲3四歩と突いて「やってこい」の強い態度。さらに△4四角の両取りにも、堂々と飛車をかわして金を取らせて▲3三歩成。後手の勝負手に受けに回ってはかえってチャンスを与えると見たのでしょうか、最強の応手で一気に局面を決めにいきました。

控え室では図から△7六金や△7六銀を検討していますが、後手の攻めは細く、自信がないと言われています。

18時45分過ぎ、藤井九段は図から△6九銀としました。残り時間は▲渡辺39分、△藤井8分。

(八雲)