2011年8月

2011年8月 8日 (月)

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前夜祭は18時から開催されました。

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■主催社あいさつ
西日本新聞社 川崎隆生社長
「あいさつの前にひとこと。みなさん、もっと前に来てください。広瀬王位と羽生二冠のお顔がよく見えますので。さて、ここ門司ですが、私が前に来たのは13年前のことです。きょうこの地に降り立ちまして、改めて、落ち着いたいい町だと感じました。歴史ある港町のよさを実感しているところです。また、今回の立会人である森下九段は北九州市出身ということで、こんなにたくさんファンの方にお集まりいただけたのかなと思います。野球の日本シリーズでもそうですが、第4番目の試合は毎年大事な試合になっています。この王位戦でも、第4局ということの大事さがあるのかなと思います。今回の対局が素晴らしい将棋になることを願って、あいさつに代えさせていただきます」

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■歓迎のあいさつ
北九州市 梅本和秀副市長
「お越しのみなさま、市外からようこそいらっしゃいました。心から歓迎します。北九州市での開催は8年ぶりということです。北九州市では毎年『北九州ハイビジョン将棋フェスティバル』をやっておりまして、そうしたことからか昨年『大山康晴賞』をいただくことができました。ここ門司港レトロは昭和63年から官民一体となって整備してきた観光地区でありまして、いまでは年間200万人が訪れる、本市を代表する観光地となりました。今年は『大正浪漫100年祭』と銘打って、さまざまなイベントが行われております。みなさまぜひ足を運んでいただきたいと思います」

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■乾杯
西日本産業コンベンション協会 三坂敏博専務理事
「我々はとても文字数の多い組織名なんですが、『なんでこんなのがいるんだ』と思う方もおられると思いますので、そこから説明したいと思います。我々は市の指導のもと、コンベンションやイベントの誘致を担当している団体です。今回は西日本新聞さんのお手伝いができて、非常に光栄に思っております。さて、北九州市は将棋が盛んな市でして、先ほどのお話にもありましたが、『北九州ハイビジョン将棋フェスティバル』が毎年3月に開催されるんですね。ところが今年は震災の影響で開催が見送られまして、地元のファンには残念なことだったと思います。ですので今回の王位戦はファンもきっと喜んでいるのではないでしょうか。明日からの対局、両対局者には大いにワクワクさせていただきたいと思います。では、この第4局の成功を祈念して、乾杯!」

(八雲)

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検分の後は、両対局者により揮毫が行われました。

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これは「鋭」と書かれたようです。

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見守っていた関係者からは「広瀬王位は、ぐんぐん上達して書が立派になっている」の声。

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完成した揮毫は「鋭敏」。

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続いて羽生二冠が揮毫。涼しげな表情で書いているのは、お馴染みの「玲瓏」。

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完成した揮毫。中央の題字は立会の森下卓九段の書。

(八雲)

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(森下九段は北九州文化大使、中座七段は稚内観光大使。名刺交換から、大使の話題に。「羽生さんはたくさんやってらっしゃるんですよね」と中座七段。羽生二冠は笑って「いえいえ、八王子だけです」)

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(「いいなあ、これ」。中座七段が惚れ込んでいた駒入れ。木目と色合いの調和が見事)

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(日向産の榧(かや)から作られた天柾の七寸盤。担当者によると、「天地柾にはこだわらずに、将来盤を削りなおしたときに綺麗な柾目が出続けるように天側の柾目を重視した天柾の木取りになっています」とのこと)

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(用意された3組の駒のひとつで、書体は奥野錦旗(おくのきんき)。奥野錦旗は駒師・奥野一香が「昇龍」という書体を改良して「錦旗」と名づけたもの。これは当時の駒師・豊島龍山の錦旗に対抗するためであったと言われる。一般的に知られる錦旗と異なるのはそのため)

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(用意された3組の駒のひとつで、書体は水無瀬(みなせ)。虎斑(とらふ)の美しさが目を引く)

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(こちらが本局で使用されることになった王羲之書の駒。「歩兵」の流麗さに特徴がある)

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(対局室から見える風景)

(文)

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16時45分から検分が始まりました。

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用意された駒は3種。両者ともに3種全て問題なし、とのことで広瀬王位が決めることに。

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広瀬王位は「では、普段あまり見ない珍しいもので」と「天竜作・王羲之書」を選びました。「王羲之」(おうぎし)は駒の書体としては珍しいですが、書道の世界では必ず勉強するバイブル的な書体です。駒師の天竜師は山形県天童市の伝統工芸師。日本最大の駒の産地、天童でも屈指の彫りの達人と呼ばれる作家です。

(八雲)

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(記念撮影の様子を眺める一行)

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(立会人の森下卓九段(左)、副立会人の中座真七段(右))

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(藤田女流初段)

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(記念撮影が終わって移動中。西日本新聞社の野津原広中記者(左)に取材を受ける広瀬王位(右))

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(羽生二冠)

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(「さあさあ、寄っていってよ!」と大きな声。振り返ると、紙芝居が始まろうとしていた)

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(森下九段、「いえいえ、また今度で!」と苦笑い)

(文)

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関係者は13時10分発のJALにて北九州空港へ向かう。

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現地大盤解説会で聞き手を務める藤田綾女流初段と談笑する、広瀬章人王位。

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九州まで文字通りひとっとび。

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15時40分頃に対局場となる門司港ホテルに到着。ロビーで関係者と談笑する羽生善治二冠。数々のタイトル戦で全国津々浦々を飛び回っている羽生二冠も、門司は初めてとのことで、楽しげにしていました。

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ホテル周辺は「門司港レトロ」と呼ばれる観光地。明治45年に建てられた「旧門司税関」前で記念撮影。

(八雲)