2010年7月28日 (水)

広瀬六段、驚嘆のバランス感覚

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上の局面は広瀬六段が△5二角と打った局面。3四の飛車に狙いをつけて、先手の攻めを牽制している。深浦王位が▲3三銀から激しく攻め込み、広瀬六段は二枚の角でやわらかく受け止める展開だ。検討ではここから▲3六飛△3五歩▲5六飛△3三桂まで進め、「これは駒損が大きいんじゃないですか」と島九段。△5二角の感触がよく、やや後手持ちの形勢のようだ。島九段はこの角を見て、「バランス感覚が素晴らしいですね。この二枚の角は才能を感じます」と感心することしきり。棋譜解説チャットの阿部四段も、「挑戦者はギリギリのところでバランスを保ちます」とコメントしている。
棋士も脱帽する、広瀬六段の類稀なバランス感覚。深浦王位は駒損しているので、ゆっくりした展開になると苦しくなる。ここからどのように攻勢を続けるのだろうか。

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