2010年5月
午前11時の局面 (4)
三浦-高崎戦は、高崎五段の「ゴキゲン中飛車」に三浦八段が急戦を挑んでいる。図は3四の歩をタダ取りしたところ。駒をタダ取りできれば先手が成功しているようだが、後手も銀をぶつけて交換する「さばき」が狙いになっている。考えなければならないのは互いの陣形で、後手は堅陣と名高い「美濃囲い」に囲っているが、先手は少々心もとない陣形。したがって、盤面の右半分では先手がポイントを上げ、左半分では後手がひっそりと後半戦に向けて「貯金」をしている状態だ。先手の積極的な攻めの姿勢と、後手の狙いすましたカウンターにご注目。
木村-大石戦は、最初に戦略的な駆け引きが行われて、ちょっと珍しい戦型になった。純正の矢倉ではないが、互いに居飛車でじっくり駒組みをする「持久戦」になりそうな気配。趣向を凝らしてきた大石四段、ここからどんな作戦を採るのか要注目だ。いっぽうの木村八段は「千駄ヶ谷の受け師」の異名を持つ受けの達人。「ギリギリ崖っぷちの局面から綱渡りのようにしのぐ」、そんな将棋を期待したい。
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午前11時の局面 (3)
午前11時の局面 (2)
午前11時の局面 (1)
リーグ戦の状況
王位戦挑戦者決定リーグ戦は、紅組・白組からそれぞれ一人ずつ、挑戦者決定戦を争う対局者を選出する。今期のリーグ戦は、3勝1敗が6人という混戦になっている。状況を少し整理してみよう。
まず紅組から。3勝は渡辺竜王・佐藤九段・広瀬五段の三者。決定戦進出に絡むのは、渡辺竜王-広瀬五段戦、佐藤九段-松尾七段戦の二局だ。
(1)佐藤九段が勝ちの場合……渡辺竜王-広瀬五段戦の勝者とプレーオフに
(2)佐藤九段が負けの場合……渡辺竜王-広瀬五段戦の勝者が決定戦に進出
次は白組。3勝は羽生名人・丸山九段・戸辺六段の三者。決定戦進出に絡むのは、羽生名人-丸山九段戦、橋本七段-戸辺六段戦の二局だ。
(1)戸辺六段が勝ちの場合……羽生名人-丸山九段戦の勝者とプレーオフに
(2)戸辺六段が負けの場合……羽生名人-丸山九段戦の勝者が決定戦に進出
今日の対局結果だけでは決まらない可能性も高い。
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