第44期五番勝負第3局 Feed

2018年2月 4日 (日)

対局開始

Dsc_0373(定刻の9時、対局が開始された。伊藤女流二段の初手は▲7六歩)

Dsc_0378(2手目△3四歩を指す里見女流名人)

Dsc_0384(3手目▲9六歩と端を突く伊藤女流二段)

Dsc_0388(4手目、端を突き返す里見女流名人)

 

おはようございます


女流名人戦第3局の開始は9時です。本日のスケジュールは下記の通りです。本日もよろしくお願いいたします。

09:00 対局開始
10:00 午前のおやつ
12:00 昼食休憩
13:00 対局再開(現地大盤解説会開始)
14:00 午後のおやつ
???     終局

第3局のTwitter解説は村田顕弘六段が担当します。

【日本将棋連盟モバイルTwitter】
https://twitter.com/shogi_mobile

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(今朝の野田市は快晴。「関根名人記念館」から撮影)

2018年2月 3日 (土)

前夜祭(5)

両対局者が退室したあと、富岡八段、長岡五段、鈴木女流二段が、第3局の見どころを話した。

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「私のテーブルはつぎ上手の方がたくさんいてビールをいただいてしまって、かなり酔っている状態なんですけれども(笑)」(鈴木)
「じゃあ、だいぶ舌も滑らかになってますね(笑)」(富岡)
「先生方は野田市は初めてなんですね」(鈴木)
「どんなところなのか、非常に楽しみにして参りました」(富岡)
「グリコ見学は楽しかったですね」(鈴木)
「そうですね。親子連れの方もたくさんいらっしゃって、すごくいいところでしたね」(長岡)
「富岡先生も楽しまれていましたけれども、グリコのマークは富岡先生にそっくりですよね」(鈴木)
「(笑)やんちゃ坊主みたいな感じでね。工場はすごく楽しかったです。僕の中で野田市とグリコが結びついて、インパクトがありました。野田市ってどんなところかなということで、地図で見てみたんですよ。千葉県の都市ということだけは知っていたんですが、千葉県の中でもいちばん北、北西部にあるんですね。それから今日、このホテルの上の階から外を見てみて、利根川が流れているなあということに気づきまして、なるほどなと思いました。野田という街は利根川あっての街なんだなあと。私は川がすこく好きなんです。利根川は『坂東太郎』ともいわれますよね。坂東(関東)にある第一の川ということで。それで考えてみると、実力制名人戦を発足して近代将棋界の扉を開いた関根金次郎(十三世)名人は将棋界の坂東太郎だなと。そんな坂東太郎、関根金次郎名人にゆかりのある地で対局が行われるのですから、今回は熱戦が大いに期待できるのではないかと思います」(富岡)

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「明日の見どころはいかがですか」(鈴木)
「ここまで2連敗の伊藤さんにとっては負けられない戦い、どうしても勝ちたい一局ですよね。先ほど伊藤さんご自身が『不完全燃焼』とおっしゃっていたように、第1局、第2局は里見さんが早い段階で優位に立って押しきるという将棋が続いているので、明日は何としても序盤からリードして見せ場を作ったうえで勝ちに持っていきたいと思われているのではないでしょうか」(長岡)
「2連勝スタートは『さすが里見さん』というところですが、これが伊藤さんの本来の実力とはとても思えません。先ほど森内さんもいわれた、相手の攻めを呼び込んで受けきるという伊藤さんの持ち味が発揮されれば、少なくとも接戦になることは間違いありません」(富岡)

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「戦型予想はいかがでしょうか」(鈴木)
「里見さんは振り飛車党ですよね。伊藤さんは居飛車も振り飛車も指すんですけど、対抗形はあまり好きではないようで、相居飛車か相振り飛車がほとんどというちょっと珍しいタイプです。早い段階から端歩を突き合ったりして、お互いに相手の様子をうかがうような展開になっていることも多いんですが、第2局はそういう駆け引きから伊藤さんが居飛車をやって負けてしまったので、今回は相振り飛車になるんじゃないかなと予想しています」(長岡)
「伊藤さんは結構意地っ張りですよね。一度ある戦型で負けても、何くそっていう感じでまた同じ戦型をやるところがあります。以前のお二人のタイトル戦で、相振り飛車が何回も続いて、惜しいところまでいったけれども伊藤さんが負けてしまったことがありました。第1局もその再現という感じで相振り飛車になって、そこでも里見さんの切れ味がすごくて押しきられてしまったんですけど、やはり伊藤さんはまた相振り飛車にするんじゃないかなという気がします。何か工夫を加えて頑張るのではないかと」(富岡)
「お二人とも予想は相振り飛車と」(鈴木)
「予想が開始早々に外れることもよくありますけどね(笑)。ただ、里見さんが攻めて伊藤さんが受ける展開になるというのは確度が高いと思います」(長岡)
「長岡君は、相振り飛車は好き?」(富岡)
「特に好きとか嫌いとかいうことはないです(笑)。いまは居飛車党ですが、以前は振り飛車党だったので指せることは指せますけど」(長岡)
「私は居飛車党なんですけど、相振り飛車は好きなんですよね。面白いなあと思うんですよ。居飛車対振り飛車とは違うし、似ているんですけど相居飛車とも違う。相振り飛車の将棋を左右反転させれば相居飛車と同じじゃないかと思う方も多いでしょうけど、ところがちょっと違うんですよね。矢倉や角換わりの感覚で相振り飛車を指そうとしても、『あれっ? 違う!』という瞬間があるんです。似て非なるものというかね。そこが相振り飛車の面白いところなんです。宇宙のように広がっている世界だなあと感じることがあって。将棋の解明されていない部分が、まだ相振り飛車にいっぱい詰まっているという気がすごくするんです。その意味で、相振り飛車は未来の戦法です。開拓の余地がたくさんありますし、いつか大流行するんじゃないかなと思っています」(富岡)
「あとは、鈴木さんの予想も聞いておきたいですね」(長岡)
「私の予想も相振り飛車……といいたいところなんですけれども、対抗形が見たいかなあ、と。伊藤さんが振り飛車にして」
「(伊藤女流二段が居飛車の対抗形ではなく、)そっち?」(長岡)
~中略~
「里見さんは高校生の頃からタイトル戦に出られていて、この野田市にくるのはもう9回目(9期連続)なんですね。タイトル獲得の合計が30期というのもすごいです」(鈴木)
「里見さんはまだ25歳ですよね。私も今日改めて調べてね、30期ってすごすぎるなとびっくりしたんですよ」(富岡)
「そこに最高の挑戦者の伊藤さんがぶつかるわけですから、明日の対局は盛り上がること間違いなしですよね」(鈴木)
「里見さんの将棋は、やっぱり切れ味がすごいでしょう。伊藤さんのほうは少しずつ積み上げていって、相手がきたところをがちんと受け止めて離さないという将棋ですよね」(富岡)
「明日はぜひ伊藤さんの強さを見せていただいて、このシリーズを盛り上げてもらいたいですね」(鈴木)
「そうですね。関根金次郎名人ゆかりの地で、ひ孫弟子に当たる伊藤さんに巻き返してもらいたいですね」(富岡)




本日のブログ更新は以上です。明日の第3局を楽しみに。

(書き起こし・睡蓮、写真・吟)

前夜祭(4)

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写真で紹介したお料理は会場に準備されたものの一部です。
Dsc_0302(花束を贈呈された両対局者は記念撮影に応じる)

Dsc_0313(両対局者から鈴木・野田市市長に色紙が、市長からは記念品が贈呈された)

このあと、両対局者は明日の対局に備えて退室した。

(吟)

前夜祭(3)

両対局者は第3局に向けて、抱負を語った。

Dsc_0274(里見女流名人)

私が野田市にうかがったのは、今回が9回目になります。「初めてきたときはまだ学生だったね」と関根金次郎支部の方に先ほどお話しいただいて、もうそんなにたつんだなあと懐かしく思いました。明日は当時のような初心の気持ちを忘れずに、一生懸命考えて一手一手を指していきたいと思っています。本局の開催に当たってご尽力いただいた皆様に感謝しながら、自分の力を出しきれるよう精一杯頑張ります。

Dsc_0278(伊藤女流二段)

野田市には初めてうかがいました。東京の喧騒を忘れるような落ち着いた雰囲気で、よいところだなと感じています。検分の前にはグリコの工場を見学させていただいたのですが、一つのアトラクションを体験しているような感覚でとても楽しかったです。対局場の関根名人記念館では歴史ある貴重な資料を拝見して、勉強になりました。第1局、第2局と不完全燃焼な対局が続いてしまっていますので、本局は熱戦をお見せできればと思っています。

(書き起こし・睡蓮、写真・吟)

 

前夜祭(2)

Dsc_0250(左から森内・日本将棋連盟専務理事、相川女流初段、鈴木環那女流二段、富岡英作八段、長岡裕也五段)

Dsc_0256(乾杯のご発声は鶴岡潔・関根金次郎支部支部長)

Dsc_0261(乾杯)

(吟)

前夜祭(1)

18時からクリアビューホテル「ふじ」の間で、第3局の前夜祭が開催された。

Dsc_0206(主催者あいさつは要浩一郎・報知新聞社ビジネス局次長。「女流名人8連覇中の里見女流名人と女流名人戦リーグを9連勝で勝ち抜いた女流二段の対戦で、女流のかたのファンもすごく多く、注目を集めている棋戦です」と話す)

Dsc_0221(森内俊之・日本将棋連盟専務理事があいさつ。「今期は女流棋界では、絶対的な強さを誇る里見名人に、ノリに乗っている伊藤女流二段の対戦で、注目を集めるシリーズになっています。ふたりは棋風が好対照でして、攻めが得意な里見女流名人。伊藤女流二段のほうは、攻めを呼び込んで受けて勝つという、女流棋士の中では珍しい棋風だと思います。違った持ち味で、どちらが自分のよさを出せるのか、そのあたりも注目していただければと思います」と述べた)

Dsc_0228(「女流名人戦が野田市で10年連続で開催されることを、非常に喜ばしいことだと思っています」と鈴木有・野田市市長)

Dsc_0232(特別協賛者代表あいさつは、後藤英樹・株式会社ユニバーサルエンターテインメント経営企画室次長(兼)広報・IR課課長。「将棋と醤油(野田市の名産)は一文字違いでして、豊川(孝弘)七段のお言葉で、対局が非常に白熱して拮抗している状態をキッコーマンというそうです。私どもとしても見ごたえのある、キッコーマンの将棋を期待しております」とユニークなあいさつ)

(吟)

対局検分

Dsc_0167(「関根名人記念館」で両対局者は検分を行った)

Dsc_0175(里見女流名人)

Dsc_0181(挑戦者の伊藤女流二段)

Dsc_0186(検分は問題なく終了した)

 (吟)




記念撮影

対局検分前、「グリコピア CHIBA」に立ち寄った両対局者は、館内で記念撮影を行った。

Dsc_0129(五番勝負は、どちらが先にゴールインするか)

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Dsc_0158(papicoの風船を手に撮影)

(吟)

 

明日 第3局

里見香奈女流名人に伊藤沙恵女流二段が挑む第44期岡田美術館杯女流名人戦五番勝負(主催:スポーツ報知、特別協賛:株式会社ユニバーサルエンターテイメント)。
第1局、第2局を里見香女流名人が連勝。注目の第3局は2月4日(日)千葉県野田市「関根名人記念館」で行われる。里見女流名人が3連勝で防衛か。伊藤女流二段が巻き返すか。
持ち時間は各3時間。第3局の先手番は伊藤女流二段。
立会人は富岡英作八段、記録係は相川春香女流初段、現地大盤解説は長岡裕也五段、聞き手は鈴木環那女流二段が務める。

中継は棋譜コメント入力が睡蓮、ブログを吟が担当する。どうぞよろしくお願いいたします。

Dsc_0164(千葉県野田市「グリコピア CHIBA」前での両対局者)

【スポーツ報知】
http://www.hochi.co.jp/hobby/shogi/joryumeijin/

【株式会社ユニバーサルエンターテイメント】
http://www.universal-777.com/corporate/culture/shogi/

 

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