終局直後
◆伊藤女流名人の談話
――第1局と同じく、西山女王・女流王将の後手三間飛車の将棋になりました。序盤はいかがでしたか。
伊藤 西山さんのほうが工夫されて、第1局とは違う進行になったので、一手一手、考えていくような将棋でした。
――昼食休憩前の▲5六金(49手目)△4五歩▲4四歩の辺りはいかがでしたか。
伊藤 難しいと思っていましたが、何か読み抜けがあるとすぐに潰れてしまう形かなとも思っていました。
――昼食休憩中も熟考されて、再開の一手の▲8五歩(53手目)を指されました。
伊藤 すぐに攻めていくとうまくいかないので、プレッシャーを掛けつつ、どこかで△8四角と出られる手を消しておきました。
――よくなったと思われたのは。
伊藤 ▲5五角(71手目)で、対応が難しいかなと思いました。
――勝ちになったと思われたのはどこでしょうか。
伊藤 最後の▲6六角(103手目)で受けが難しいかなと思っていたので、▲7二成銀(95手目)の辺りですかね。
――防衛戦での初勝利となりました。
伊藤 少しほっとはしています。
――まだ番勝負は続きます。いまの思いを聞かせてください。
伊藤 そんなに変わらずに、一生懸命頑張りたいです。
◆西山女王・女流王将の談話
――序盤はいかがでしたか。
西山 早々に手将棋になって、一手一手、考えながら進めていたんですが、(5筋の突き捨てを入れずに)単に△5二飛もあって、その辺りはどちらがよいのかを比べきれていませんでした。
――昼食休憩明け、△5五歩(54手目)と打たれた辺りはいかがでしたか。
西山 そこは読み抜けがあって、昼食休憩明けからは自信がありませんでした。
――苦戦を意識されたのはどの辺りですか。
西山 一直線の戦いになると思っていて。▲4四歩(51手目)と押さえられたところで、△4二飛などの手段がないようでは苦しいかなと。
――本局全体を振り返って、どのような戦いでしたか。
西山 大きな見落としを何回かしてしまったので、一方的な内容になってしまったと思います。
――番勝負はこれで2勝1敗になりました。第4局に向けての抱負をお願いします。
西山 少し間が空くので、しっかり準備して臨みたいと思います。
(睡蓮)