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2022年2月24日 (木)

終局後インタビュー

終局後、両対局者に主催紙インタビューが行われました。

□伊藤新女流名人のインタビュー

-- 一局を振り返って。
 序盤はゆっくりしているとまずくなるのかなと思って、自ら駒をぶつけていました。遠い場所の開戦で相手にはしてもらえないかと思いましたが、仕掛けられたあたりは難しいのかなと思って指していました。

-- 序盤を振り返って。
 こちらは自然に指し進めていたつもりでしたが、少しわかりませんでした。

-- 先にと金作った局面(46手目)について。
 と金が生きる形にしたいなと思っていましたが、桂を逃げられるような変化もあったので、と金が残ってしまわないように指したいと思っていました。

-- △4九飛(58手目)と攻めに転じた局面は。
 わからなかったです。天守閣美濃は飛車に強い形ですので。ただ、こちらも割と堅めの陣形でしたので、難しいのかなと思いました。

Img_2293(初タイトルとなる女流名人を獲得した伊藤沙恵新女流名人)

-- ▲2五桂(61手目)あたりの中盤戦について。
 できれば中央に使いたいはずの桂だったと思うので、こちらはこちらで主張があるのかなと。

-- よくなったと思った局面は。
 ずっとわからなかったんですよ。玉頭戦なので1手間違えるとすぐに終わってしまうので。最後の最後まで本当にわからなかったです。

-- 最終盤はどのような思いで指していたか。
 時間がどんどんなくなっていく中で、間違えないようにしたいなと思っていました。

-- 勝ちを確信したのは。
 △8六桂(112手目)と打ったところで、受けが難しそうなのかなと思いました。

Img_2301(質問に目を赤らめる場面も見られた)

-- 初挑戦から7年、9度目の挑戦でのタイトル獲得について。
 うれしいです。ずっと応援してくださる方がいらっしゃったので、結果を残せてよかったなと思います。

-- 里見女流名人からタイトルを獲得した点について。
 これだけ長くの間、いろいろなタイトル戦で安定した成績を収められている方なので、すごいなと思います。こういう舞台で何度も戦わせていただいて、うれしいです。
これまでいろいろ経験をさせていただき、確実に自分の成長につながっているのかなと思います。将棋に対する向き合い方などが変わったのかと思います。

-- これからの夢について。
 タイトルを持たれている方は、素晴らしい方、強い方ばかりです。自分も見合った実力をつけなければいけないと思うので、これからもがんばっていきたいです。

 

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■里見女流名人のインタビュー 

-- 一局を振り返って。
 うまく仕掛けることはできたと思いましたが、攻め方がひどくて、時間を使った割に正解が指せなかったのが悔やまれます。

-- 序盤について
 いい形で仕掛けることはできたので、作戦的にはまずまずかなと思っていました。

-- 4筋に飛車を回った構想(43手目)は。
 いちばん自然に指したつもりだったので、いけると踏んで本譜で攻めていきました。

Img_2307_2 (里見香奈女流名人は、13連覇はならず、初失冠となった)

-- 飛車交換から▲4一角(53手目)と据えた局面について。
 ▲3四角と迷っていました。本当は切り合っていく順を考えていたのですが、自重してしまって均衡を保てませんでした。攻め方が変だったと思います。

-- ▲2五桂(61手目)と跳ねた局面について。
 当然▲6三角成と切って、中央に桂を活用しなければいけませんでした。ちょっと大局感がおかしかったです。踏み込んでいく順を考えていて、そちらを選ぶべきでした。

-- 終盤について。
 あっさり、と金を金と交換した(67手目)のですが、やや苦しく、細い攻めになりました。馬が使えていないのがひどく、苦しいかなと思っていました。

-- 今期の4局を振り返って。
 スタートダッシュが悪くて、1、2局目でだいぶ乱れてしまいました。そのあたりが自分の弱さかなと思っていました。

-- 17歳から守り続けた女流名人を失った点について。
 いつかは当然負けてしまうことはわかっていました。ただ、長きにわたってタイトルを保持していく中で、人間的に成長させていただくことがかなり多かったので、女流名人戦という棋戦に感謝したいです。

-- 20代最後のタイトル戦だった。指し盛りを迎えるにあたってどのような目標があるか。
 ソフトが普及してきていて、振り飛車が厳しいとされている時代ではありますが、その中で自分の個性を生かした将棋を指せていけたらと思います。

 

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(書き起こし=武蔵)

(潤)