対局関係者による、対局の展望です。
(右から戸辺誠七段、高橋道雄九段、加藤桃子女流三段、安食総子女流初段、野田澤彩乃女流1級)
立会人・高橋道雄九段
「対局の展望については、後輩たちがしっかり言ってくれると思いますので、今日はちょっと別の話で。私は子どもの頃からの大の巨人ファンでありますので、巨人が勝ちますと翌日にスポーツ報知を買って読むのを楽しみにしています。さらに、昨年からはチームが変わって雰囲気が出て来たので、それからはスポーツ報知を年間購読するようになりました。もちろん、女流名人戦の記事も見ておりまして、今回は谷口女流三段の戦いぶりを拝見して、今年は勝ち運があるなと思っておりました。この勝ち運を生かせるかどうかは、第1局にかかってるなと思っています」
大盤解説者・戸辺誠七段
「明日は大盤解説会の解説を勤めさせていただきます。明日の戦型予想ですが、両対局者ともに振り飛車をメインに指されています。意地の張り合いになれば相振り飛車が予想されますが、過去の傾向を見ていると、里見女流名人が譲って、居飛車を持っての対抗形になることが多いので、明日は対抗形になるんじゃないかなと思っています」
大盤解説聞き手・加藤桃子女流三段
「明日の対局は、戸辺先生がおっしゃったように里見女流名人が居飛車を指すのかなと思いつつも、谷口女流三段もそれに対抗して、ひょっとしたら居飛車を指して、相居飛車の力戦形になるかもしれないと予想したいと思います」
大盤解説聞き手・安食総子女流初段
「里見女流名人は男性棋士にも何度も勝たれていて、雲の上の存在で、強くて、努力も凄くされている方だと思っています。谷口女流三段は最近になって将棋の勉強にコンピューターを取り入れたとのことでしたので、明日の第1局では、新しい谷口女流三段が見られるかもしれないと楽しみにしております」
記録係・野田澤彩乃女流1級
「明日の対局は、相振り飛車か、対抗形か、あるいは譲り合っての相居飛車になるのか、あるいは力戦形で未知の将棋になるのか、といったところを楽しみにしています」
(書き起こし・八雲、写真・独楽)
両対局者挨拶の模様です。
里見香奈女流名人
「本日はこのような盛大な前夜祭を開催していだき、ありがとうございます。女流名人戦のタイトル戦の舞台で対局できることを嬉しく思います。明日は自分の力を精一杯出し切れるように、一手一手指して参ります。どうぞよろしくお願いいたします」
挑戦者・谷口由紀女流三段
「本日は、このように盛大に前夜祭を開いていただき、誠にありがとうございます。今日は、バスから見える雪景色や、検分で対局室の窓から見える雪景色も本当に美しく、より一層、明日の対局が楽しみになって参りました。女流名人戦の舞台で戦うことが夢でしたので、明日、その大舞台で対局できることが非常に嬉しく、楽しみです。明日は精一杯対局して、みなさまに熱戦をお見せできればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします」
(書き起こし・八雲、写真・独楽)
しばらくの歓談ののち、両対局者が登壇。明日に控える女流名人戦五番勝負第1局に対する抱負を語りました。そして、花束、記念品が贈呈されました。
記念品は新作 Okada Museum Chocolate『波と富士』。岡田美術館で2020年4月5日から開催される特別展「生誕260年記念 北斎の肉筆画-版画・春画の名作とともに-」に併せて発売される、新作 Okada Museum Chocolate『波と富士』が、発売に先駆けて両対局者に贈呈されました。フルーツとハーブやスパイスを組み合わせた8種類のフレーバーが揃った、新感覚のチョコレートです。
(小林忠・岡田美術館館長から、チョコレート、花束が両対局者に送られた)
(独楽)
前夜祭では、主催者挨拶、対局関係者紹介、特別協賛社乾杯・挨拶、両対局者挨拶、花束・記念品贈呈、両対局者退席、関係者による対局の展望、来賓代表挨拶、中締めの運びでした。
【主催者挨拶】
丸山伸一・報知新聞社代表取締役社長
「五番勝負の行方を占うこととなる重要な明日の第1局が手に汗握る熱戦となることを期待しております」
清水市代・日本将棋連盟常務理事
「いよいよ明日から始まる番勝負ですが、両対局者にとっては、2ヵ月かけて力の限りを尽くす勝負となります。どうぞ最後までご注目、そしてご声援をいただければ幸いでございます」
(対局関係者紹介の様子。対局立会人の高橋九段らが席を立ち、一礼)
【特別協賛社挨拶・乾杯】
小林忠・岡田美術館館長
「この女流名人戦、岡田美術館の冠をお預かりして5期目となります。いつも寒さに震えるような時期の開催ですが、対局席は温かくするように努めておりますので、どうぞご安心なさって対局してください。お二方の善戦を期待しております」
(書き起こし・八雲、写真・独楽)