(対局者退場後、関係棋士が明日の見どころや展望を語った)
中村「里見さんは姉妹で女流棋士です。このような形で聞き手を務めることもあるでしょうけど、少し違いますか」
里見「違う棋戦で聞き手をさせていただいたこともありました。姉ですので、肩入れしてしまうところもありますけど、以前からトップで活躍してきましたし、それを見てきました。そういう点で、姉というよりトップの女流棋士として勉強させてもらっています」
中村「いい話ですね、福崎先生!」
福崎「……えーっ」
中村「聞いていなかったでしょう」
福崎「明日の展望を聞かれるかと思っていて」
(中村修九段)
(福崎九段)
山口「明日の展望はいかがでしょうか」
中村「二人は10局以上指されていますが、毎回ねじり合いになりますね。控室の予想が当たらない熱戦といいますか。二人はレベル高い将棋を指していて、苦しみながらでもいい手を指すんですよ。そうしたところでファンが喜んでくれるところもあります」
里見「戦型は里見女流名人の中飛車で、伊藤女流二段の居飛車を予想します」
中村「第1局の先後は振り駒で決めます。先後は大きいんですよ。里見さんは先後とも中飛車しますが、指し方が違ってきます」
福崎「『ヘタの中飛車、上手が困る』というんですけど、上手が指すともっと困るんじゃないかな。しょうもなかったね」
山口「ありがとうございます。私は展望を。第1局は、番勝負の運命を握るような一局なので、二人とも十分に準備した自慢の戦型をぶつけるのではないかと思います。その中で、伊藤さんは名前に『あい』がつく戦型が好きと聞きます。相居飛車や相振り飛車という将棋を選ばれるのではないかと思います」
(書き起こし=銀杏 写真=牛蒡)