初手から▲7六歩△3四歩▲7五歩の出だしで、先手里見香女流名人が石田流含みに三間飛車に構えました。図は9時30分頃の局面です。
(飛龍)
福崎九段、井上九段、伊藤明女流初段、相川女流初段による明日の展望予想の様子です。
福崎「まず、井上先生はね……」
井上「僕の話はええんで」
伊藤「大盤解説、(福崎)先生と2年連続でさせていただくのですが」
福崎「伊藤果先生(八段)のご令嬢ね。本題に入りまして『あったまる』の女性プロの大会をここまでというぐらい、心のこもった歓待をしてもらって……」
伊藤「トーナメント戦も作っていただいて、女流棋士もたくさん来て本当に華やかになっています」
福崎「(以下、しばし本題から外れる)」
(福崎九段と伊藤明女流初段、丁々発止の掛け合いがしばらく続いた)
伊藤「先生の楽しい話、もっと聞きたいのですが、明日の展望をいただければ。では、戦型予報などを」
福崎「戦型予想はどう考えても、どっちかが飛車を振る! 井上理事、あなたは?」
井上「僕は、相振り飛車ですかね」
伊藤「明日は里見(香奈)女流名人が先手です」
井上「そう。2局目もそんなんやったですね」
伊藤「そうでしたね。2局目は角交換したあと相振り飛車というか」
福崎「伊藤さんもよく覚えてますね。これやったらコケないわ」
伊藤「相川さんは今回の五番勝負、1局目も記録係を務めて。盤側からご覧いただいていかがですか」
相川「そうですね、私も相振り飛車が現れるのではないかなと思っています。明日がとても楽しみです」
(奨励会二段の弟がいる相川女流初段。将来、姉弟プロになる可能性があると話題に)
福崎「伊藤さんはどうなの?」
伊藤「私、実は上田初美さんと同門ですので、ちょっと肩入れというわけではないですが、冷静な目で見たいなと思います」
(飛龍)
「皆さまこんばんは、里見香奈です。本日はお忙しい中、前夜祭にお越しいただきまして、本当にありがとうございます。私が湯原温泉に来るのはもう結構な数で、何回来たのか分からないぐらいになっています。本当に菊之湯さんの方々が優しくて、いつも温かくお出迎えしていただくので、自動ドアを入った瞬間に本当にほっとする場所でもあります。また岡山県と島根県は車で行ける距離なので、地元の方々も応援に来てくださって、私の励みになる対局でもあります。明日はそういった応援してくださる方々のことを忘れずに、とにかく一生懸命考えて、自分の力を発揮できるように頑張りたいと思っております。女流名人戦第4局を開催するにあたりまして、本当に多くの方々にご尽力をいただいております。心から感謝しております。ありがとうございます。今日明日とお世話になりますが、自分にできる精一杯のことをやっていきたいと思いますので、どうぞ皆さまよろしくお願いいたします」
(同じく上田初美女流三段)
「皆さま改めましてこんばんは。挑戦者の上田初美です。まず初めに長年女流名人戦を主催していただいております報知新聞社さま、そして特別協賛していただいておりますユニバーサルエンターテインメントさま、ありがとうございます。第4局を開催するにあたって岡山県、そして真庭市全体で温かく迎えてくださっていることを実感させていただきました。ありがとうございます。第3局が結構私的には完敗で負けてしまいまして、先ほど何度かお話に出ているのですが、『できたら3局で』と思っていた部分があったのですけれども、こうして4年前にもお伺いさせていただいた湯原温泉の地で、こんなにも温かいという言葉では足りないぐらい熱く迎えてくださいまして、気持ちをすっきりと切り替えて、先ほどの太鼓のように激しく、里見女流名人にぶつかっていけるような気がしました。第3局で負けてしまったのですけれども、その前から『あと1勝』という気持ちはあまりなくて、2連勝という良いスタートを切れたのですけれども、私自身は全然余裕がなくて、少しでも油断すると本当すぐ持っていかれてしまうほど、強いお相手ですので自分のできる精一杯をもって真正面からぶつかっていきたいと思っております。今日明日とお世話になりますけれども、どうぞよろしくお願いいたします」
(里見香女流名人の隣が池田雅子さん、上田女流三段の隣が西村優花さん)
(池田実行委員長から備前焼きを両対局者にプレゼント。お礼に色紙を受け取る)
両対局者はここで退席しました。
(書き起こし:夏芽記者、写真:飛龍)