上田女王、大長考。
4手目△1四歩に▲1六歩と受け、戦型は相振り飛車となりました。
「相振り飛車も美濃囲いや穴熊に組むようになってわかりやすくなったんですが、力戦の将棋になりやすくて難しいんですよね。お互いに金無双に組んでいますが、金無双はそれほど堅くないので神経を使います。この形は相振り飛車の中でも一番難易度が高い将棋です」(杉本七段)
左図の▲8六歩に上田女王が長考に沈みました。手元の時計では40分を超えています。持ち時間各3時間の将棋では異例の大長考です。
「ここで考えているということは、上田さんは銀冠に組みたかったんじゃないでしょうか。でも▲8六歩と突かれて誤算があったのかもしれません」と山崎七段。△8四歩には▲8五歩があり、突きにくいようです。△5二金左に代えて△7二金と逆側の金を締まっておけば、構想通りの銀冠を目指しやすかったようです(参考図)。
(杉本七段。著書に「相振り革命」シリーズがある)
(若葉)