カテゴリ

第70期王座戦挑戦者決定戦

2022年7月25日 (月)

先手優勢

20220725_76

ここで谷川十七世名人は(1)▲3六銀△6五歩▲4五銀△6六歩▲5六金を挙げ、先手よしと見ていました。実戦は(2)▲8五桂で「より直接的な手ですね」と述べています。以下△7四飛▲8三金に80手目△7一飛と引きましたが、▲8三金が通るならば先手優勢といわれています。

20220725_80
以下▲7三桂成△8二歩▲7二成桂△同角▲8二金(変化図)が進行の一例で先手よしです。
谷川十七世名人は「少しずつ差が開いているような展開」との見解です。

20220725_h85

Img_7778_z1(上座の豊島九段。すぐ後ろには谷川十七世名人の掛け軸がある)

(虹)

大阪市内の風景(2)

0_y06前の記事でご紹介した風景の夜景バージョン。昨夜に撮影)

0_y07(向こうは大阪梅田。対岸を右折すれば関西将棋会館のあるエリアだ)

0_y08(上記撮影の30分前、河川敷横の道路と夕暮れ)

(虹)

谷川十七世名人の見解

Img_7894(継ぎ盤で関係者たちに解説する谷川十七世名人)

新聞解説を務める谷川十七世名人が来館しています。
ここまでの進行について振り返っていただきました。

20220725_22
「18手目△4三金が少し珍しい手で、22手目△5四金と出ていくのが思いきった手段です。これが有力だというのは事前研究でしょう。△5四金に対して本譜のように▲6六歩と突けば、そこから十数手は予測できる進行です。以下、▲金△角交換になるならば後手まずまずでしょう」

20220725_58
「ただ、58手目△4二歩はどうだったか。これで先手に手がないのであればよいですが、実戦は63手目▲8二金と攻められています。65手目▲8一金の局面で後手が手を止めていますが、△4二歩のところは手が広かったので、そちらで時間を使うほうが自然に思えます。なのでいまは苦しい長考をしているのかもしれませんね」

20220725_66
実戦は100分超えの大長考で、△9三香と辛抱しています。

(虹)

空中戦を制すのは

20220725_65

豊島九段は相手の飛車を追い回し、いまの駒割りは▲金桂△角の交換になっています。9一香も取れるため、このままいけば先手が駒得を主張できそうです。陣形も先手のほうがよい形をしています。
しかし金はすでに盤上に手放しており、香を取ったあとは再利用が難しいところ。また桂と香を入手したあと、それで後手陣を崩そうという速い攻めもなかなか見えにくいです。
そして現局面では△2七角(変化図)が大橋六段にとって感触のよい一着となるかもしれません。

20220725_h66

先手は飛車の逃げ場が悩ましく、(1)▲6五飛ではあまりにも窮屈です。(2)▲4六飛のほうが飛車は使いやすいですが、横利きがなくなるため7筋に攻め駒を集められてしまうでしょう。そのあと後手はどこかで△6四歩と突けば、遠く8一金に当てつつ、先手陣の上部圧迫、7三飛が中央の守りにも利く、など続けて味のよい手が指せそうです。
14時55分、大橋六段が30分以上の熟考に沈んでいます。

Img_7808_z1(飛車が飛び交う空中戦。大橋六段はうまくかいくぐって7筋攻めに注力したい)

(虹)

大阪市内の風景(1)

0_y01(近隣を流れる淀川。架かる十三大橋を、対岸の淀川区側から撮影)

0_y2(河川敷には背丈の様々な緑が広がっている)

0_y03(以下はそれぞれ、市内の別エリアにて)

0_y04

0_y05

(虹)

いったん収まる

20220725_52

先手の3四歩を取り払ったところ。駒割りは▲金△角の交換で後手の駒得ですが、先手は囲いの堅さにおいてアドバンテージがあります。互いに主張はあるものの、先手は7六歩の拠点をうまく消せるのか、後手は左美濃に組むのか否か、などまとめるのがともに難しそうな中盤戦となっています。

Img_7887(昼食休憩が明ける直前の対局室)

(虹)

対局再開

Img_7885(早めに対局室に戻った豊島九段。盤面に集中し続けている)

Img_7878

Img_7890(相手の着手を待つ立場である大橋六段はゆったりと、対局再開の定刻から5分経過して戻ってきた。以降、13時を回っても豊島九段の着手はない。昼食休憩前と合わせて35分以上の熟考に沈んでいる)

(虹)

昼食メニュー

Img_7857(豊島九段が注文した「親子丼(温そば)」)

Img_7863

Img_7867(大橋六段が注文した「親子なんばうどん」)

※いずれも撮影用の注文分

(虹)

昼食休憩

20220725_50

この局面で昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲豊島1時間26分、△大橋1時間32分。昼食の注文は、豊島九段が「親子丼(温そば)」(やまがそば)、大橋六段が「親子なんばうどん」(やまがそば)。対局は12時40分に再開します。

Img_7870

Img_7871

(虹)

カウンター狙い

20220725_41

7七にいた角を追われ、豊島九段は引くのではなく端にのぞきました。次に▲7三歩と打てば7五金のヒモが途切れ、3五飛の横利きが生きてきます。実戦は△7四飛でその筋を回避しましたが、いつでも▲6二角成△同玉▲8三銀から後手陣右辺を荒らすことができるようになりました。

20220725_44

時刻は11時20分。あれから数手進んで、大橋六段が角切りを催促したところです。または▲8四角△同飛▲7五飛という手段もあるでしょう。午前中から激しい戦いに突入するかもしれません。

Img_7758(対局開始前、記録係の手元を確認する豊島九段)

(虹)

このサイトに掲載されている記事・イラスト・写真・商標等の無断転載を禁じます。