夕食休憩時の局面を田村六段にうかがいました。
「▲西川-△矢内戦はいい勝負ですが、やや西川良しと思います。△9三桂がどうだったか。▲7三桂成から成桂を使って金を取られるような懸念があります」
「▲大石-△清水戦は清水良しと思っていましたが、現在は逆転模様です。54手目△9五銀がどうでしたか」
「▲田中-△石橋は後手良しです。△4四桂から自然に攻めていけばいいでしょう。先手から見ると、自分だけの力ではどうにもならないので、後手の攻めを焦らせなければなりません」
「▲遠山-△里見戦は一番五分に近い。少し前は先手がいいと思ったが、(43手目)▲7七桂から流れが少しおかしい。先手はどのタイミングで▲6五銀と出るか。現局面で▲5六歩は角損するので無理かもしれませんが△4六歩▲5五歩△4七歩成という順も心配しないといけません」
(行方八段と鈴木女流初段が▲大石-△清水戦を解説)
行方「僕ももうアラフォーですよ」
鈴木「あれ、そういう年齢でしたっけ?」
行方「35歳です」
鈴木「何を言っているんですか。勝手に四捨五入してはいけませんよ」
というやり取りで観客から笑いが起きました。
行方「ここまで(53手目▲8八角)は清水さんがうまく指していましたが、次の手はつんのめってしまった」
鈴木「△9五銀は自然に見えましたが」
行方「▲6五桂と飛ばれてしまって、普通は「桂の高飛び、歩の餌食」で△6四歩があるのですが、▲4五桂△同歩▲3三角成△同桂▲8五角があるんですよ。▲6五桂と飛ばれたのは清水さんは錯覚だったのかもしれませんね。△9五銀では△7三桂なら後手が優勢だったと思います」
対局者の夕食の注文は以下の通りです。
田中 親子丼
清水 冷やしたぬきうどん
ほかの棋士の注文はありません。