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■永瀬王座の談話
――全体を振り返ってください。
永瀬「序盤で△1四歩~△1三桂とされましたが、見えていない動きだったので忙しくなってしまったかなと思いました」
――仕掛けのあたりの形勢判断はいかがでしたか。
永瀬「後手に手段が多いので自信はなかったです」
――控室では終盤の入口であわや千日手といわれていましたが、そのあたりはいかがでしたか。
永瀬「自信がない局面だと思っていたので、千日手筋にはなりにくいのかなと思いました」
■久保九段の談話
――全体を振り返ってください。
久保「序盤は後手番ながらまずまずかなという感じでした。中盤から終盤にかけてはよくわからなかったですね。何か手段がありそうな気はしたんですが、どこでどうやればよかったかは精査してみないと」
――△6二銀(76手目)と引いたところで△6二金打なら千日手もあるのかなといわれていましたが?
久保「金打ちだと千日手になります? 千日手があったとして、その筋が見えていなかったので」
(琵琶)
117手で永瀬王座が勝ちました。終局時刻は20時15分。消費時間は、▲永瀬4時間45分、△久保5時間。第4局は10月6日(火)兵庫県神戸市「ホテルオークラ神戸」で行われます。
(吟)
図の△9七香は詰めろですが、▲9七同香△同桂成に▲7七銀直で後手に有効な攻めがなく、先手が勝勢といわれています。
(琵琶)
控室では1図の局面で▲8二金△同金▲7三銀△7一金▲8二銀成△同金▲7三金の順を検討していました。以下△7一金と受けると▲6四香が厳しいからです。「金を持っていないと後手は楽しみがなくなるからね」と青野九段は語っていました。実戦は1図から▲7二香△同金▲6一竜△7一金▲7二金△9二玉▲7一金に△7七桂打(2図)と進みました。2図は△8九金までの詰めろですが、▲7八銀と上がられたときに後続手はあるのでしょうか。
(琵琶)
19時10分、図の局面を迎えています。控室では千日手を打開したのが危険と見られていますが、青野九段は「久保さんは千日手にならないという判断で本譜の順を選んだ可能性もあると思います」と話しています。
(琵琶)
すわ千日手か、といった状況でしたが、久保九段が38分の考慮で△6二銀(図)と引きました。「これは千日手にはならないと思います」と増田康六段がいえば、青野九段も「銀引きは勝ちにいった手ですよね。千日手にするなら△6二金打のほうが安全ですから」と話しています。△6二銀以下、▲7二金△同金▲6一飛△7一金打▲7二馬△同玉▲1一飛成と進んでいます。
(琵琶)