カテゴリ

« 2014年9月 | メイン | 2015年7月 »

2014年10月

2014年10月 7日 (火)

先手がリードを守る

80現地控室の評判は先手よし。羽生王座のたくみな粘りがありましたが、豊島七段の対応が冷静でした。図で▲7二同竜△同歩▲4三歩成△同玉▲5五角の両香取りが予想されています。▲4三歩成を入れると△4八歩が生じますが、▲3九金と逃げておけば香の王手が楽しみになります(後手は歩合いができなくなる)。

(牛蒡)

長期戦

68ss図から▲5一歩成△6二馬▲4一と△同金▲7七桂△7六歩▲6五桂△5五馬(参考図)が検討手順。先手は駒得(▲金銀桂△角香)で自陣は堅陣、しかし後手の馬2枚も強力です。長期戦になると予想されています。

「豊島さんは▲4七銀打(63手目)から▲5二歩(65手目)で決まったと思ったんじゃないかな。しかし△7三飛(66手目)で決まらなかった。▲4七銀打が過剰防衛だったと後悔しているかもしれません」(中村修九段)
「羽生さんは△5七角(58手目)と打った時点で△7三飛を狙っていたんですね。さすがです。ただ、先手に冷静に指されると、まだ厳しいかもしれない」(行方八段)

C374 (河口七段が検討を見守る)

(牛蒡)

関西検討の様子

19時頃、関西棋士室では継ぎ盤を見つめる棋士の姿が多く見られました。

Photo_9(村田顕五段、杉本七段、星野良生四段、西川和宏五段が継ぎ盤を眺めていた)

Photo_10(63手目、▲4七銀打の局面が継ぎ盤で示されていた)

Photo_11(西川和五段の指摘通りに局面は進んでいる。なお西川和五段は明日本棋戦の一次予選で、千田翔太四段と対戦する)

(潤)

美濃崩しの筋

58羽生王座は休憩明けも考慮を続け、19時23分に△7一歩を決断しました。以下▲同飛成△5七角(図)。一見するとぼんやりした角ですが、美濃崩しをみた急所の角です。次は△4八香が厳しく、▲3九金は△5九飛から△3九飛成▲同玉△4九香成が典型的な美濃崩し。▲5八金は△3九銀▲同玉△4九香成の類似筋で即詰みです。

(牛蒡)

関西将棋会館大盤解説会

18時になり関西将棋会館では4階多目的フロアで大盤解説会が始まりました。まずは3人同時での解説で幕開けしています。

Photo_5(18時になって大盤解説会がすぐに開始された)

Photo_6(淡路仁茂九段)

Photo_7(南芳一九段)

Photo_8(南九段と北村桂香女流1級)

2(「そういえばうちの弟子は、初手▲5六歩から中飛車にするのに最近はまっているようです」と淡路九段)

(潤)

夜戦

C358 (18時40分、庭園側から見た対局室)

(牛蒡)

夕食休憩

55_218時、図の局面で夕食休憩に入りました。消費時間は▲豊島3時間51分、△羽生3時間38分(持ち時間、各5時間)。夕食は両者ともに「おにぎりセット」。飲み物は豊島七段がオレンジジュース、羽生王座がグレープフルーツジュース。対局は19時に再開します。

B315 (おにぎりセットにオレンジジュース。小鉢はもずく、やまいも、隠し味にわさび)

B326 (梅、おかか、昆布)
※対局者と同じメニューを別途注文して撮影しました。
(牛蒡)

17時30分頃の関西将棋会館棋士室

関西中継記者の潤です。王座戦第4局は現在、終盤戦に突入したところですが、ここで関西将棋会館棋士室の現在の様子をお伝えします。なお関西将棋会館ではこのあと18時より、淡路仁茂九段、南芳一九段、北村桂香女流1級により、本局の大盤解説会が行われます。

Photo(17時30分頃、本局を検討する南九段、井上慶太九段、北村女流1級)

Photo_2

Photo_3

Photo_4(杉本昌隆七段、畠山鎮七段、村田顕弘五段、斎藤慎太郎五段らが棋士室で練習将棋を行っていた)
(潤)

53手目コメントの変化

53控室の検討がどのように行われているかの参考に、詰みまで調べられた検討例を紹介する。
△9九角成▲7二飛に△7一歩が攻めを遅くする手筋の犠打。これで後手も戦えるかと思われたが、▲同飛成△6九飛▲6二と△4二金寄に▲7九金の催促が好手。勢い後手は飛車を切って攻めるが、△4九飛成▲同銀△4七香に▲5二銀(参考図)が詰めろになっていて先手勝勢だ。

53s詰み手順の一例は▲4一竜△同金▲同銀不成△同玉▲4二金△同玉▲5二飛△3三玉▲2二銀△2四玉▲1六桂△3五玉▲3六金△4四玉▲4五金まで。途中の▲1六桂がポイントで、先手が▲1六歩と突いておらず、後手が△1四歩と突いている形でのみ詰むという作ったような手順になっている。(以上、53手目棋譜コメントから抜粋)

B278 (現地大盤解説。佐藤紳六段も参考図の変化を示していた)

(牛蒡)

検討陣は先手持ち

50さばきあいになって以降、検討陣の多くは先手持ちの見解です。図から▲7三歩成△4六銀▲同歩△9九角成▲7二飛が示され、「後手自信はないですが」と佐藤紳六段。ただ、後手は1筋を突いているため、2二角の動向次第で玉の懐が深くなります。「難しい」の声もあり、予断を許しません。

B262 (16時40分ごろ、青野照市九段が来訪)

(牛蒡)

=== Copyright (C) 2009 >>> The Sankei Shimbun & Japan Shogi Association === All Rights Reserved. ===