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2014年9月 5日 (金)

感想戦102手目(2)

次に102手目、△6六歩に代えて△3二金の変化について。感想戦ではこの手の精査に1時間半近くに及ぶ検討がなされました。逆王手あり、開き王手あり、合い駒問題ありなど難解な変化が調べられましたが、その中から主要変化を抜粋し掲載します。

Photo_4 図の△3二金以下、▲8二桂成△6八銀成▲同金△7八金▲同金△同銀成▲同玉△6九角▲6七玉△5八角成▲6六玉△4六馬と進めたのが2図の局面。

Photo_5 羽生王座は上記手順中の△5八角成を軽視していたそうで、代えて△6五歩や△6五金と上部脱出を阻止する手を予想していたとのこと。ただこの△4六馬までが並べられ、「言われてみれば確かにこうやりますね。これでこちらの玉は寄っていそうです」と感想を述べられました。ところが豊島七段はその先を読んでいて▲3一銀△2三玉▲1五桂△同歩▲2二金△1三玉▲1四銀△同馬▲1五歩(3図)がどうなのかと。

Photo_6 「よく分からなかったのですが、自信が持てませんでした」と豊島七段は△3二金を見送った理由をここで述べましたが、羽生王座は「ここで手を渡すのは何となくですが負けのパターンのような気がします」と自身の感覚を述べ、さらにこの先が調べられました。

▲1五歩以下、△6五歩▲7五玉△7四歩▲同玉△8五銀▲6五玉と進めたのが4図。なお▲7五玉で▲6五同玉は△5三桂以下寄りです。

Photo_7 4図で(1)△3一金と、(2)△6四歩が調べられました。まず、(1)△3一金ですが、以下▲1四歩△2二玉▲1三歩成△同香▲1一角△1二玉▲3一竜△7四銀(5図)までが並べられました。

Photo_8 この△7四銀は観戦記担当で詰将棋作家でもある若島正氏が示した一手。対して▲同玉は△6二桂が捨て駒の第二弾で▲同金△7三金以下先手玉は寄り。、この辺りはいかにも詰将棋作家らしい読みを披露されました。

△7四銀以下は▲5四玉△6三銀▲同玉△6二金▲同玉△8二飛▲7二金△7三銀▲5一玉△5二金▲同玉△7二飛(6図)で、「合駒が悪いのがずっと祟りますね」と羽生王座。以下▲4一玉△4二金▲同竜△同飛▲同玉△6四馬▲5三金(7図)で難解が結論。なお最後の▲5三金で▲5三銀は、△同馬▲同玉△4一桂で先手玉は寄り筋です。

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Photo_10

△6四歩については次項で。

(潤)

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