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2009年9月

2009年9月16日 (水)

桐山九段のコメント(30手目△9四歩)

Ouza200909162_30 立会人の桐山九段に現局面についてのコメントをいただきました。

「すぐに戦いにはならないでしょう。先手の2六銀と後手の3四銀・5四銀の3枚の駒がどう動くか注目です。先手は▲3七銀と引くか、2六銀と置いたまま指していくか。後手は△4三金右~△4二玉~△3一玉まで指せれば離れ駒もなく、がっちりした形になりますが攻める手ではないです。△4五銀右と先手にプレッシャーをかけるような手もありますね」
(翔)

13時、対局再開

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(再開5分ほど前に対局室に入ると、既に山崎七段は席に着いていた)

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(梅田望夫さんも観戦)

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(梅田さんを紹介され笑顔で応じたあと、盤上に鋭い視線を飛ばしていた)

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(13時4分頃、対局室の外に出ると…)

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(入れ違いに羽生王座が到着)

(翔)

自宅解説棋士から梅田望夫さんへの回答(1-3)

梅田さんの質問はこちら

【五段向け担当:北島忠雄六段】
Ouza200909161_29_4 後手の一手損角換わり対先手棒銀の戦いになりました。
昼食休憩の局面、先手は一歩を手持ちにしたことと、後手の陣形を乱したことが主張ですが、手数を多くかけて進出した銀ですから、この程度の得では、まだ元手を取り戻したとは言えません。具体的には▲3七銀~▲5六歩~▲4六銀~▲5五銀と銀を立てなおし、中央に使って行く順が一例で有力な変化です。
対する後手は、乱された陣形を、いかにまとめて行くかが力の見せ所。あと、△8一桂の活用や、先手の飛のこびんを狙う角打ち(△6五歩から△6四角)が有力な狙い筋となります。
現局面は7月9日に行われた棋聖戦、羽生ー木村と同一局面になっています。その将棋は、結果は先手を持った羽生さんが勝ちましたが、内容的には後手の木村さんが押している将棋でした。羽生さんが、どのような修正案を準備してこの対局に臨んでいるか楽しみですし、今後の解説で詳しくお伝えして行きたいと思います。

自宅解説棋士から梅田望夫さんへの回答(1-2)

梅田さんの質問はこちら

【初段向け担当:片上大輔六段】
Ouza200909161_29_3 梅田さんこんにちは。この局面のポイントはただひとつ、2六の銀をどう活用するかです。
常識的には▲3七銀と引いて2筋交換。しかし後手はそれに対して、△4五銀右~△3六歩という反撃を狙っているのです。それで、羽生王座は銀の動きを保留しているのでしょう。
この局面で後手の候補手は△4二玉(玉を囲う)、△6五歩(△6四角を見せる)、△9四歩(桂の活用を見せる)のいずれかです。羽生王座は相手の次の手によって、攻めの構想を変えていくことになりそうです。特に△4二玉の場合は、玉が近づいたということで▲1六歩~▲1五歩の攻めも有力になります。

昼食休憩の対局室

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(駒は影水作、清安書)

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(昼食休憩の盤面)

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(対局室)

(翔)

自宅解説棋士から梅田望夫さんへの回答(1-1)

梅田さんの質問はこちら

【5級向け担当:遠山雄亮四段】
 先手の羽生王座は棒銀で攻めの姿勢を見せました。後手の山崎七段としては序盤で一手損をしているので、しばらくは受けにまわる方針になるでしょう。お互いの方針がハッキリしています。
Ouza200909161_23  棒銀の場合、▲2六銀が5段目に出られると成功となります。例えば▲3五歩に△同歩▲同銀となれば成功といえるでしょう。以下△3四歩には▲2四歩(参考図)で、△3五歩には▲2三歩成、△同歩なら▲同銀△同銀▲同飛で攻めの銀が守りの銀と交換になって先手有利といえます。
20090916_sankou1_2  そこで後手の山崎七段は、「△1四歩」そして「▲3五歩を取らない」事で棒銀を5段目に出させないようにしました。
 この場合、先手の羽生王座としては▲3七銀と引いて立て直しを図る事になります。銀が2六の地点に取り残される事だけは避けなくてはいけません。
 まだまだじっくりした戦いで、夕食休憩までは本格的な戦いにならない事が予想されます。
 昼食の注文を見ても、羽生王座も山崎七段もご飯物で、じっくりした戦いを想定していそうです。これが麺類やパン系だと、昼食休憩後に激しい戦いになると考えている場合があります。
 5級の方だと手の意味などが分かりにくい点もあるかもしれませんが、そうして盤上だけではなく盤外にも注目しながら観戦されると、なお一層面白さが増すと思います。

梅田望夫さんから自宅解説棋士への質問(1)

Ouza200909161_29_2 昼食休憩の局面の、5級向け解説、初段向け解説、五段向け解説を自宅解説者の皆さんにお願いします。これはパリでのウェブ観戦記以来、たいへん好評なもので、定番の質問となって恐縮ですが、自宅解説の北島六段、片上六段、遠山四段、どうぞよろしくお願いします。
解答はこちら。5級向け 初段向け 五段向け

昼食休憩

Ouza200909161_29 図の局面で昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲羽生1時間4分、△山崎1時間30分。
先ほど現地に梅田望夫さんが到着しました。午後からは梅田さんと自宅解説棋士のやり取りもお届けする予定です。

(翔)

参考棋譜紹介

Ouza200909162_2424手目△5四銀の局面は、4年前の王座戦第1局と同じ局面です。
第53期王座戦五番勝負第1局(千日手指し直し局)
平成17年9月1日
▲王座 羽生 善治
△棋聖 佐藤 康光
▲7六歩  △3四歩  ▲2六歩  △3二金 
▲7八金  △8四歩  ▲2五歩  △8八角成
▲同  銀  △2二銀  ▲3八銀  △3三銀 
▲6八玉  △7二銀  ▲7七銀  △6四歩 
▲2七銀  △6三銀  ▲2六銀  △1四歩 
▲3六歩  △5四銀  ▲3五歩  △4四歩(上図と同じ局面) 
▲3四歩  △同  銀  ▲7九玉  △4一玉 
▲1六歩  △9四歩  ▲3七銀  △3三金 
▲9六歩  △3二玉  ▲5八金  △5二金 
▲4六歩  △3五歩  ▲3六歩  △同  歩 
▲同  銀  △3五歩  ▲4七銀  △4二金 
▲6六歩  △7四歩  ▲6七金右△2二玉 
▲8八玉  △3二金寄▲5六歩  △4五歩 
▲同  歩  △同  銀右▲4六歩  △5四銀 
▲4一角  △7五歩  ▲7四角成△7六歩 
▲同  銀  △6五歩  ▲7五馬  △6六歩 
▲同  馬  △7二飛  ▲7四歩  △4四角 
▲同  馬  △同  金  ▲2四歩  △同  歩 
▲7七角  △3三金  ▲6八飛  △6二飛 
▲6六角  △4三金引▲7七金寄△6五歩 
▲8四角  △6一飛  ▲7三歩成△9三角 
▲同  角成△同  桂  ▲8三角  △7一飛 
▲7四角成△5七角  ▲3八飛  △7五歩 
▲6七銀  △4五歩  ▲6四歩  △4六歩 
▲5八銀右△4七歩成▲同  銀  △3六歩 
▲6三歩成△3七歩成▲同  桂  △3六歩 
▲同  銀  △4六角成▲3五歩  △2三銀 
▲4四歩  △同  金直▲7二と直△3一飛 
▲5三と  △3六馬  ▲4二と  △3二飛 
▲同  と  △同  銀  ▲7五馬  △4六歩 
▲4八歩  △4七歩成▲同  歩  △2七馬 
▲3九飛  △3八歩  ▲2九飛  △3七馬 
▲8一飛  △4一歩  ▲6四歩  △2七桂 
▲7九飛  △1九桂成▲9一飛成△6三銀 
▲4六香  △7四香  ▲9三馬  △7七香成
▲同  桂  △6四銀  ▲4四香  △同  金 
▲4六香  △3五金  ▲6一竜  △7五銀打
▲7六歩  △6六香  ▲7五歩  △6七香成
▲同  金  △6六歩  ▲同  金  △4七馬 
▲4九香  △5七馬  ▲6四竜  △7九馬 
▲同  玉  △5九飛  ▲6九歩  △4九飛成
▲2四竜 
 まで、165手で羽生 善治王座の勝ち。
(消費時間=▲4時間58分、△4時間59分)

(翔)

10時40分頃の控室

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(10時40分頃。23手目▲3五歩で駒がぶつかった)

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(控室ではチェスプロブレム作家でもある若島さんが桐山九段にチェスプロブレムの世界を解説中。若島さんは来月、チェスプロブレムの世界大会のためにブラジルに行くそうだ)

(翔)

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