掛川こども王将戦を視察(2)
【藤井王将】
「今日は掛川こども王将戦にご参加をいただき、ありがとうございます。将棋の大会は皆さんの普段の練習成果を試す場であると同時に、友達やライバルと出会う交流の場でもあると思います。また、初めて会った人とも将棋を通してコミュニケーションを取れるのも、将棋の魅力の一つと感じています。皆さんの対局を観戦させていただきましたけど、しっかり考えて、その考えたことを大切にして指されているのが伝わって、とてもうれしく感じました。これからも将棋を楽しんで続けていただけたらと思います。また、明日とあさっては掛川で王将戦の対局がありますので、そちらの対局を見ていただけたらうれしいです」
【永瀬九段】
「皆さん、こんにちは。本日は掛川こども王将戦に参加していただき、ありがとうございます。昨年に続いて、2年連続でこちらのこども大会を観戦させていただきました。こども大会は近年増えつつありますので、皆さんも楽しんでいただけているのではと思っています。近年ではオンラインの対局もありますが、このように対面ですと相手の息遣いや緊張なども感じられて、とても有意義な時間が過ごせるのではないかなと思っています。明日、明後日で王将戦が始まりますので、そちらも注目して見ていただければと思います」
(書き起こし=銀杏)
掛川こども王将戦を視察(1)
第1局は「掛川城」で開催
藤井聡太王将に永瀬拓矢九段が挑戦するALSOK杯第75期王将戦七番勝負。
第1局は1月11日(日)、12日(月・祝)の2日間にかけて静岡県掛川市「掛川城 二の丸茶室」で行われます。
持ち時間は各8時間。両日とも9時対局開始で、12時30分から13時30分までは昼食休憩。1日目の18時以降に手番の棋士が封じ手を行い、翌日9時から指し継ぎます。先後は振り駒で決定します。
立会人は神谷広志八段、記録係は生垣諒人三段(井上慶太九段門下)が務めます。現地大盤解説会は勝又清和七段、聞き手は貞升南女流二段が担当します。
本局の中継は棋譜コメントを銀杏、本ブログを玉響が担当します。よろしくお願いいたします。
一夜明け会見
対局から一夜明けた本日、深谷市役所で藤井王将の一夜明け会見が行われました。
【一夜明け会見】
―― 一夜明けての感想を聞かせてください。
「永瀬九段と二日制で対局をするというのは、この王将戦が初めてで。その点は前から楽しみでもあったのですけれど。そういった長い持ち時間の中で5局を指して。どの将棋も難しい中盤戦と終盤戦という局面が多かったので。充実感もありありましたし、非常に勉強になったシリーズだったと思っています」
―― 第5局で2手目に△3四歩を指されました。プロ9年目で初めてということで、そのことの手応えと、いま思われることがあれば教えてください。
「2手目に△3四歩と突いてみようかなというのは、本局に向けての準備の中で考えていたことではあったのですけれど。ただ、いままで公式戦では指したことがないので。経験としては、かなり不足しているところもありますし。やってみないとわからないところが多いと思っていました。その中で、こうして8時間という持ち時間で、△3四歩からの将棋を指すことができて。それで発見であったり、手応えであったり、そういったものを得ることができたんじゃないかと思っています」
―― 昨日は2手目△3四歩を指されましたが、これから先、後手の場合、例えば5筋の歩を突くとか、飛車を振るとかいうことは考えられますでしょうか。
「現時点で考えているということではないんですが、もちろん、可能性としては、そういった余地はあるかなとは思っています。ただ、特に振り飛車というのは、相居飛車とは感覚的にも違ったところが求められるようになるので。もし、そういうことがあるとすれば、そのために相当な準備が必要になるかなと考えています」
―― 盤外のことになりますが、深谷だと、赤城乳業の工場があったりとか、秩父鉄道でSLが走ったりしています。埼玉だと鉄道博物館もあるんですけど。行きたいところとか、やってみたいこととかはありますか。
「埼玉県は今回初めて伺ったのですけれど。名産のネギであったり、煮ぼうとうなどもいただくことができて。こちらの名物とかは、いろいろと楽しむことができたかなと思っています。埼玉県ということでいうと、やはり鉄道博物館が大宮にありますので。そちらは是非ゆっくり周ってみたいなと思っています」
―― 深谷の人たちは、藤井王将がお見えになることを楽しみにしていまして。深谷での印象と、深谷市民の方に一言お願いします。
「深谷対局にあたって、地元の方に準備と歓迎をしていただいて。とても気持ちよく対局に臨むことができました。食事もネギであったり、いちごの『あまりん』など、美味しいものが多かったと感じています。前夜祭や大盤解説会にも多くの方に来ていただいて。対局への注目であったり、期待というのが力になったと感じています」
―― 王将のタイトル4連覇について、タイトルを重ねていくことについて、どのようにお考えですか。
「タイトル数であったり、そういった記録というものについては、今の時点でそれほど意識することでは、そこはないのかなと考えています。やはり、より実力を高めていくということと、それによって長期にわたって活躍できるようにすることが重要なのかなと。記録というものも、それによってついて来る、あるいは伸ばしていくことにもつながるのかなと思っています」
記者会見
感想戦終了後に記者会見が行われました。
【藤井王将の記者会見】
―― 本局は、2手目に初めて△3四歩を選ばれました。この対局でこの手を選ばれた理由はなんだったのでしょうか。そして、局後の永瀬九段の言葉で、△3四歩に対して準備不足だったとありました。作戦としては成功したとお考えでしょうか。
「このシリーズが始まったときから、後手番のときは2手目に△3四歩と突くことも含めての作戦を考えようと思っていました。それを本局で試した見たということですが。初めて指すことになるので、わからない部分も多かったんですけれど。結果として序盤、それほど悪くならずに乗り切ることができたのかなと」
―― 永瀬九段との初めての2日制のタイトル戦でした。1日制との違いは。
「1日制と2日制では、ペースがかなり違ってきます。急所の局面で求められる読みの量も違うので。永瀬九段と、今回の2日制の対局を通して非常に勉強になるところが多かったかなと感じています」
―― 今回の防衛でタイトル獲得数が28期となりました。これは尊敬されている谷川浩司十七世名人を超えることになりましたけれども。これについてはいかがでしょうか。
「いま、そういった実感はないんですけれど。今回、タイトル獲得数が28期ということで、その点で谷川十七世名人の記録を超えることができたことは、光栄なことと思います。
―― 今日の対局が今年度の対局としては最後になります。今年度を振り返っていかがでしたか。
「全体を振り返ると、成績という面では、それほど振るわなかったですけど。対局を通して、いろいろと得たものは多かったかなと感じています。それをしっかりと生かして、強くなれるように、これからも取り組んでいくことが求められるのかなと思っています」
―― 2手目△3四歩を指す決断に至るまでには何がありましたか。
「最近、後手番で少し苦戦することが多いということがあって、変化することが求められる部分もあるのかなと。また、以前は実戦に於いても、最善を突き詰めていったらどうなるのかという考え方の意識が強かったんですけれど。考えてもわからないことが多いですし。その中で、実戦でいろいろな変化をしていく中で、構想を考えていくということも大きな意味があるのかなと判断するようになったので。それもあって、いろいろな形を試して見れたらいいなと思っています」
―― 永瀬九段との研究会で2手目△3四歩を指したことはありましたか。
「練習対局で、何回か指したことがあったので。なので、△3四歩を突くことで意表をつける、ということではないかなと思っていましたので。その後で、うまくバランスを取っていけるかどうかが大切だと思っていました」
―― 昨年来、常々後手番が課題であるということを、おっしゃっていました。去年の後半から、後手番の成績に関して、数字的には上がって来ているように思います。何か手応えを感じていますか。
「後手番の戦い方という点では、いまでも試行錯誤しているところではありますけれど。少しずついろんな経験を積めていきているかなと思うところもあるので。それを生かしてさらにブラッシュアップしていければと思っています」
























