第75期王将戦七番勝負第6局 
終局直後の様子
【藤井王将の談話】
―― 1日目、角換りの進行になりました。ある程度、予定の流れだったのでしょうか。
「いえ、△7五歩(30手目)から仕掛けられて。あまり、認識のない展開になってしまったので。一手一手難しいかなと思いながら指していました」
―― その△7五歩に対して15分の考慮で▲同歩とされました。わりと早めに返されたようにも思ったのですが、そうではなくて、やはりあまり考えられてなかったのでしょうか。
「△7五歩の仕掛け自体は常に気になる手順なのですけど。その先の具体的な変化は、それほど認識がなかったので、あらためて考えたという感じでした」
―― 午後は2筋の継ぎ歩攻め(53手目)などで進みまして、△8八歩(54手目)の局面で封じ手となりました。1日目の進行はいかがだったでしょうか。
「△1五歩(40手目)から△1六歩とされて。ちょっと▲6六角(43手目)だと、▲6六歩から香を取りに行く筋がなくなってしまうのが、ちょっと妥協かなと思ったのですけれども。代わる手もあまり成算が持てない気がしたので。本譜は角を打って、そのラインでどのぐらい手を作れるかという将棋かなと思っていました」
―― 封じ手については、▲8八同角と▲8八同金もあったかと思いますが、その比較については、いかがでしたか。
「正直、どちらもあるかなと思ったのですけど。▲同角で、どこかで手順に8八の角をさばくタイミングがあればというふうには考えていました」
―― 2日目、▲2三歩(63手目)は、確実な手だけど、相手に手を渡すという部分では怖さもある指し手かなと思いました。その辺りはいかがでしたか。
「▲2三歩は予定というか、他の手はちょっと、1二竜が追い返されてしまう形なので。こう進んだら▲2三歩と打とうかなと思っていたのですけど。ちょっとその先の変化はいろいろあって難しいかなと思っていました」
―― 振り返って、分岐点になった指し手などがあれば教えてください。
「竜を作った(61手目)のがどのぐらい大きいか判断がついていなかったのですけど。▲5五角(75手目)から▲4六香という手順を発見して、そこでちょっと指しやすくなった可能性はあるのかなと思いました」
―― 一局を通して、どんな将棋でしたか。
「△1六歩(42手目)から△1五香▲1八歩と端を攻められた形はかなり難しくて。2筋や1筋で戦いになったときの判断が非常に難しい将棋だったかなと思います」
―― 名古屋将棋対局場でのタイトル戦は初めてになります。印象などがありましたら教えてください。
「私はこちらで対局するのは、かなり久しぶりだったのですが。非常に眺めもよくて。そういったところでリフレッシュしながら、集中して対局に臨めたかなと思います」
―― 今日勝たれまして、3勝3敗のタイで第7局に持ち込むことができました。第7局自体、藤井王将は初めてだと思いますが。そのことも含めて、第7局にどういう意気込みをお持ちですか。
「先後どちらになるかわからないですけど、集中して精一杯頑張りたいと思います」
【永瀬九段の談話】
―― 角換わりから△7五歩(30手目)の仕掛け。この辺りはやってみようという用意の仕掛けだったのでしょうか。
「そうですね」
―― 1日目の進行については、どのように振り返られますか。
「△1五香(44手目)がちょっとキズになりやすい展開でしたので。どういう感じでバランスを取るのか、難しいなと思いました」
―― ▲2三歩(63手目)に対して本局で最長の1時間21分の考慮で△4六桂と強く攻め合われました。あの辺りはいかがでしたか。
「(67手目に)4九か4八か、どちらに香を打たれるか、ちょっと変化が変わってくる感じもしたので時間を使いました」
―― ご自身の中で分岐点になったと思われる指し手がありましたら教えてください。
「竜を作られてしまう形なので。そこで猛烈に形勢を損ねているのであれば、手前に問題があったのかなという感じがしています」
―― 一局を通じて、思われることがありましたらお願いします。
「▲4五歩(49手目)から▲2四歩が自然だと思った記憶があるのですけど、対応がちょっと、詰めが甘かったかなと思います」
―― 第7局に決着を持ち越すことになりました。意気込みを聞かせてください。
「精一杯頑張りたいと思います」
決着は最終局に
七番勝負第6局は103手で藤井王将の勝ちとなりました。終局時刻は18時3分。消費時間は▲藤井7時間15分、△永瀬7時間50分。七番勝負は3勝3敗となり、決着は最終第7局に持ち越されました。第7局は3月25日(水)から26日(木)にかけて、関西将棋会館(大阪府高槻市)で指されます。
後手の粘り腰
先手優勢
午後のおやつ(2日目)
危険な手
図は14時15分頃の局面。
控室では△4六歩が予想されていたところで、永瀬九段は△5五歩と突きました。4筋の香の利きを止めない大胆な一手に、検討陣から驚きの声が上がりました。
「▲4五桂がきつそうですけど、どうするのでしょう」(勝又七段)
「そこで△4六歩と打ちますか」(屋敷九段)
「▲3三桂成に……」(勝又七段)
「△同玉で辛抱して……」(屋敷九段)
「▲5五角と出られるけど大丈夫ですかね」(勝又七段)
「大丈夫じゃない気がしてきました」(屋敷九段)
△5五歩は、かなり危険な手であるようです。しかし、虎穴に入らずんば虎子を得ずと言います。永瀬九段は危険を冒した代償に虎子を得ることができるのかどうか。早くも最終盤の勝負どころが近づいています。














時刻は17時を回りました。△5四香までの消費時間は▲藤井6時間44分、△永瀬7時間22分。
図は15時47分頃の局面。ここまでの消費時間は▲藤井6時間33分、△永瀬6時間31分。












図の局面で12時半を回り、藤井王将が59分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲藤井5時間24分、△永瀬5時間28分。昼食の注文は、藤井王将が「スパイシーキーマカレー」、「ウーロン茶」、永瀬九段が「麻婆豆腐天津セット(麻婆豆腐大盛り)」、「コーヒー」、「ウーロン茶」、「ペリエ」。対局は13時半に再開します。
