2023年2月25日 (土)
羽生九段が封じる
驚愕の桂成り
上図の△2五飛の両取りに対し、藤井王将は▲2三歩成△同金に▲5三桂成(下図)と踏み込みました。
控室では▲6五桂△2七飛成▲5三桂右成の順が予想されていましたが、それ以上の速度感を与える、驚愕の一手です。
(1)△5三同玉は▲2六銀△同飛に▲3五角の王手飛車取りがあります。副立会人の西川六段は「(2)△5三同角▲2六歩(参考図)のときに、飛車の逃げ場が難しいです。△4五飛は▲5六角、△5五飛は▲4六角や▲6六角があります。後手の5二玉・5三角の形は香車を渡すととても危ない形です」と話しています。
▲5三桂成に対して△同玉も△同角も考えられるため、ここで封じ手になるのではないかと言われています。
(▲5三桂成△同角の変化を調べて考え込む、立会人の福崎九段と副立会人の西川六段)
両取りがかかる
藤井王将の長考(2時間0分)を超える羽生九段の長考。このまま王将戦史上最長考記録だった3時間33分(2003年1月28・29日、第52期王将戦第3局▲佐藤康光王将-△羽生善治竜王の55手目)を超えるかと控室で言われていましたが、2時間21分で△2七歩成と指しました。
△3七歩が最有力視されていましたが、△2七歩成も候補に挙がっていました。
しかし▲2七同銀に△2五飛(下図)は予想されていませんでした。△2五飛に代えて△2九飛▲3八銀△1九飛成と香車を取る手順が考えられました。羽生九段は長考の先に何を見たのでしょうか。
△2五飛は銀と桂馬の両取りになっています。藤井王将はどのように対応するでしょうか。ここも長考になりそうです。
(さんべ荘敷地内にある、しいたけの原木)
(小さなしいたけが見える。大きく育ったものは、さんべ荘の売店で購入できる)