2025年7月 6日 (日)

Oui202507050102_89千日手指し直しとなった七番勝負第1局は89手で藤井王位の勝ちとなりました。終局時刻は19時51分。消費時間は▲藤井7時間50分、△永瀬7時間59分。七番勝負は藤井王位が幸先よく先勝しました。第2局は7月15日(火)から16日(水)にかけて、再び藤井王位の先手で神戸市北区「中の坊瑞苑」で行われます。

2025070581図は19時30分頃の局面。残り時間は▲藤井16分、△永瀬9分。
▲8八玉は非常に怖い手ですが、この一手と見られていました。これで先手玉は詰みません。後手玉は▲2二角までの詰めろなので、手を戻す必要があります。しかし、手を戻しても先手が寄せ切れそうと見られています。

2025070573図は18時35分頃の局面。
この局面で自然な手は△2四銀です。しかし、控室では佐藤康九段が▲3五金を発見し、以下△同歩に▲3四角が厳しく、これは先手が勝ちそうと見られています。自然な△2四銀が指せないようだと、後手は指し手が難しくなります。

2025070563図は17時半過ぎの局面。ここまでの消費時間は▲藤井7時間16分、△永瀬6時間31分。
前記事の△2四歩に49分使った藤井王位は▲4三銀と真っ向から攻め合いを挑みました。次に▲4一角や▲3二角が、▲2三角成以下の詰めろになります。

Dsc00599 真っ向勝負を挑んだ藤井王位。寄せをどこまで読んでいるのか。

2025070562図は16時40分過ぎの局面。消費時間は▲藤井6時間27分、△永瀬6時間31分。
永瀬九段は56手目の△4八歩成に1時間10分、58手目の△6五同角に43分と連続長考で、消費時間が藤井王位と逆転しました。ただ、苦しんでの長考というよりは、勝負どころで必要な長考をした印象で、控室でも後手がよくできる可能性があると見られています。
図の△2四歩に対して、先手は▲6八歩と受けるか、▲4一角のような手で寄せ合いに出る選択肢もあります。いずれにしてもきわどい勝負と見られています。

Dsc00578_2永瀬九段は勝負どころで連続長考を見せた。