2021年6月30日 (水)

終局後にインタビューが行われました。

Dsc_2808(開幕局で好スタートを切った豊島竜王)

――相掛かりで端を突き合う展開から、互いに端歩を取り込んで攻め合う激しい将棋になりました。どのように見ていましたか。

豊島 先手のほうが先に歩を取り込んでいるのでわからなかったですね。こちらも桂を先に跳ねて2枚使える形なので、目いっぱい指しているとは思いました。

――封じ手の局面で△7六飛と指されました。

豊島 封じ手は△7六飛しかないと思っていました。本譜の進行が自然と思いましたが△9七歩と垂らしたところで、▲9一香成と▲1三歩と垂らす手があったので、どちらかで悪くない順があればと思っていた。

――△3四歩から△3三歩と手堅く指されていました。終盤での形勢や戦いはいかがでしたか。

豊島 △3七香と打ち込んで、先手先手で攻められるのでよくなっていると思いました。正確に指せていければいけそうと思いました。

――第2局に向けての意気込みをお願いします。

豊島 コンディションを整えていい将棋をさせるよう頑張ります。

Dsc_2817 (敗れた藤井王位。持ち時間が8時間とはいえ、四段昇段後、初めて30分以上残しての敗戦となった)

――相掛かりは想定していた戦型でしたか。

藤井 先手なら相掛かりにしようと思っていました。序盤から手が広い戦型なので、どういう展開になるかはやってみないと分からないと思っていました。

――端を取り合う激しい展開でした。

藤井 △9五歩(44手目)が思った以上に厳しくて、すでに思わしくない形勢だと思いました。

――2日目、△9八歩成(60手目)▲7七桂のあたりの形勢判断はいかがでしたか。

藤井 正確に指されてしまって、かなり苦しくなってしまったかなと思います。

――飛車交換になりましたが、豊島竜王の攻めが厳しかったでしょうか。

藤井 玉が薄いので粘り方が難しかった気がします。

――第2局に向けての抱負と意気込みをお願いします。

藤井 本局は早い時間の終局になってしまったので、第2局以降を熱戦にできるよう頑張りたいと思います。

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図は91手目▲6九桂の局面。ここから△3七竜▲9四角△2八竜▲7二角成△同金▲同飛成△4三玉(下図)と進みました。銀を取る△3七竜は自然ですが、▲9四角の攻防手への対策を立ててのこと。読みを入れて決めにいってます。
下図まで進むと先手の厳しい攻めは続かず、次の△5八竜が詰めろになります。△8八桂成とせず、7六の桂を置いたまま進めることで、攻めやすい状況を保っています。



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15時になり、2日目午後のおやつが出されました。藤井王位がジンジャーエール。豊島竜王はわらび餅、グレープフルーツジュース(氷なし)、お茶(伊藤園)。
対局者の指定を受け、ジンジャーエールとグレープフルーツジュースは対局室に運ばれます。

Dsc_2775 (藤井王位のジンジャーエール。対局室に運ばれると、さっそく飲んでいた)

Dsc_2787 (豊島竜王のおやつ。グレープフルーツジュースのみ、対局室に運ばれた)

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図は78手目△3七香の局面。歩が打てるなら△3七歩とするところ。△3七香は歩の代用で駒損をいとわない強打です。▲同桂△同桂成▲同銀で香損しますが、そこで△4七角と打つ手が厳しいとみています。豊島竜王がギアを上げました。
藤井王位は▲8四桂から▲7二桂成の攻め筋が間に合うか。

Dsc_2715 (踏み込みよく攻める豊島竜王)

14時になり、名古屋能楽堂の近くにある「KKRホテル名古屋」で大盤解説会が始まりました。新型コロナウイルスの対策をとりながら、事前申し込みで定員を80人にして行っています。

Dsc_1808(KKRホテル名古屋。「KKR」とは、国家公務員共済組合連合会のこと)

Dsc_2749 (解説会場。席を離して設営)

Dsc_2745 (大盤解説会の景品の色紙)

Dsc_1867 (青野九段、稲葉八段、中澤女流初段は1日目に色紙に揮毫していた)

Dsc_2763 (解説を務める稲葉八段。「並行して行われている棋聖戦でも藤井王位は相掛かりを指していて、タイトル戦では3局連続で相掛かりとなりました」)

Dsc_2771 (聞き手を務める中澤女流初段)